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お馬の親子

【雑草(ポエム)ららばい 第622話】

沖縄の民話 【姥捨て山】

『61歳になった年寄りは山へ捨てなさい』 という国の命令があり、自分の親が61歳になると 山へ捨てなければならないという辛くて悲しいお話がございます。

息子に背負われて山へ捨てられに行く道中、母親は木の枝を一枝ずつ折って道に落としていきました。

『お前が帰りの道に迷わないように、木の枝を細かく落としておいたから それを頼りに帰りなさい』

子を思う親心…
そして長年生きてきた中で培った豊富な知識と知恵。

年寄りは大切な宝物でございます。
絶対に粗末にしてはいけません。

ある日、息子が難問を突き付けられ…
『体の大きさも色も、全て同じ二頭の馬の親子を見分けてみろ!』

馬親子_copy


回答に困った息子は母親に尋ねると…

『草を二頭の馬の前に置いてみなさい。最初に草を食べるのが子供、後で食べるのが親馬だよ』

私は、この言葉が今でも強く心の奥底に残っております。

『児童虐待』などという言葉すら気にならなくなってしまった昨今…

母親が、自ら生んだ実の子供を平気で殺せてしまうのは…

もはや 人間だけなのかもしれません。

by 桜川

海が怒れば

【雑草ポエム 第530話】

本日、私は気晴らしに茨城県の大洗海岸まで足を運んで参りました。

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今年も海水浴シーズンが終了し、秋風と共にひっそりと静まり返る海辺の空気を吸うもの悪くはないか…と思い立ち、久々にマリンブルーを期待して出掛けたのではございますが、本日は生憎の曇り空となってしまいました。

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波打ち際に釣り人が一人…
↓『どうだい、釣れたかい?』 『今日はダメみてぇよ…』

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人間って…いいなぁ。

都心のオフィスですっかり機械化されてしまった心でも、こうして静かな波のサウンドを聴いているだけで心地良く、機械化された心と身体に、再び温かい血が通うようでございます。

日本人には、海を『母親』に例える例が多々ございますが…

これは、基本的に男性のエゴイスティックによるものであり、『海』という漢字の中に『母』という字が入れられているのも『海=母親』だからである…と、勝手に確証している有名人も存在いたします。

しかし…
『海』という漢字の中にある『母』の字は、母のようで母ではない。

海は、静かな時こそ優しいけれど…
ひとたび荒れたら手が付けられず、その破壊力は磐をも砕く恐ろしさ。

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この海から、北へ僅か100km先にも満たない地(福島県)におきまして、日本中を恐怖のどん底へ落とし込んだ原発事故が発生いたしました。

絶対に起こってはならない事故でした。
絶対にあってはならない事故でした。

しかし、実際に事故は起こってしまったのでございます。
それを皆、想定外の『大地震のせいだ!』と、誰もが位置付けておりましたが…

それは違います!

あのシステムは、しっかりと大地震には耐えたのです。

しかし、あの海が… 津波が全てを狂わせ、なにもかもパーにしてしまったのでございます。

大いなる海さんよ…、あんたが我らの母親とは片腹痛いぜ。

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さて…と
そろそろ現実へ帰ろうかな。

また明日から、冷たい機械人間になるために…。

私は、東京が大嫌いです。

by 桜川

鳴かぬなら 【葵】 ホトトギス

【雑草ポエム 第522話】

昨日、私は戦国武将の唯我独尊、徳川家康公のパワーを得るべく、日光の東照宮へ行って参りました。

↓『葵』の紋に、思わず平伏す我が心かな。

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↓石鳥居を潜りますと、左手に聳え立ちます五重塔がお出迎え。

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表門を潜り、左手の神厩舎にはお馴染みの三猿が(重要文化財)
↓見ざる 言わざる 聞かざる・・・私も、かくありたく

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↓御水舎にて手口を清め、静かに足を進ませますと…

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↓私は見事な国宝『陽明門』の前に立ちました。

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↓いつまで見ていても見飽きないところから『日暮の門』ともよばれ…

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↓故事逸話や子供の遊び、聖人賢人など500以上の彫刻が施され…

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↓日本を代表する最も美しい門であると実感いたしました。

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↓有名な国宝『眠り猫』を通過いたしますと…

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奥宮(重要文化財)拝殿・鋳抜門(いぬきもん)・御宝塔からなる御祭神のお墓所となり…

↓徳川家康公の大きなお墓を拝し奉り、それがし恐悦至極に存じます。

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日光東照宮は日本有数のパワースポットの聖地であり、心身を癒す助けとなる精神的なエネルギーに満ち溢れております。

こ度、この地へ来られたということは、今後の私にとりまして大変意義のあることだと思っております。

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『鳴かぬなら… ホトトギス』

有名な俳句の中におきまして、三大『天下人』(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)の性格をそのまま表した擬句なるものがございます。

・鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス (織田信長の短気さを表す)

・鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス (豊臣秀吉の好奇心を表す)

・鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス (徳川家康の忍耐強さを表す)

この三人の天下人、己の志を全うできたのは家康公、ただお一人のみでございます。

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弊社の創業者、松下幸之助の経営理念の一つといたしまして、『鳴かぬなら ホトトギス』を別角度から説いたことがございます。

『三大天下人を例えた中で、どれが一番正しいのか…』と質問を投げ掛けたうえで…、そのどれもが不正解だと答えました。

『鳴かぬなら それもまた良し ホトトギス』(松下幸之助)

家康公の牙城を切り崩せるのは、この人だったのかもしれません。

本日、民主党代表に選出されました野田佳彦氏も、何を隠そう『松下政経塾』のご出身であり、幸之助を師と仰ぐ彼も今回の立候補演説におきまして、『鳴かぬなら… ホトトギス』についてのお話をなされておりました。

幸之助の魂を胸に総理となるは、征夷大将軍をも超える国民の期待を担うということでございます。

前途は多難…
小沢一郎を打ち砕くには、『タイガーマスク・牙・キラリ!』の発想が必要かと存じます。


鳴かぬなら それもまた良し ホトトギス

その極意たるや いかに…

by 桜川

柔(YAWARA)道

【雑草ポエム 第506話】

勝つと思うな 思えば 負けよ…

これは、伝説の古賀メロディー『柔』の中におきまして、最も有名なワンフレーズでございます。

このフレーズの意味とは…
何事も、勝とうと思えば気負ってしまう。
気負うから負ける…という、勝負の機微をついたものでございます。

思い起こしますれば私自身、学生時代の部活動におきまして、約10年間『柔の道』に勤しんだ身であり、神宿る畳の上から数多く学ぶものがございました。

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しかしながら、私は最後までこのワンフレーズの意味を理解するに至らず、3段位を取得したにも関わらず、柔道家といたしましては『失格』の烙印を押されたに等しく、社会人となりましてからは、柔道着に袖を通すことはほとんどございませんでした。

私は、明らかに『柔の道』に反した柔道をしていたのでございます。

柔道選手としては軽量の身であるが故に、勝気な性格が柔道に出てしまい、かの『朝青龍』のごとく相手を威嚇し、勝つためには手段を選ばず、審判のジャッジに不満を隠さず、全ての試合に勝たなければ気が済まず、負けた時は畳を両手で叩いて悔しがったりもいたしました。

『柔道はケンガではない!』
いくど怒られたことでございましょうか。

『勝つと思うな…』
自分には、コレをどうしても理解することができませんでした。

『勝とうと思わなくて、どうして勝負に勝てるものか!』
この考え方が、私の誤りでございました。

【勝たんと打つべからず  負けじと打つべきなり】

要するに、勝つためにする稽古よりも、負けないためにする稽古の方が身に付きやすい…

勝たねばならん…と思う心理状態よりも、負けられない…と思う心理状態の方が、実戦においてより力が出る…

なるほど…
思い当たる節が数多くございます。

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勝つと思うな 思えば 負けよ…
柔の道は、人の道。

これ、実社会でも同じこと。

我も、かくありたく…

by 桜川

雑草ポエム第500話達成記念 【沈まぬ太陽(其の四)】

【雑草ポエム 第500話】沈まぬ太陽 (其の四)

(前回 第499話の続き…)

飛行機の激突地点を、現地では『X地点』と称し、岩に『X』の文字が白くペイントされておりました。

当然のことながら、この『X地点』が最も激しく炎上した場所なのですが…
↓その時の事実を象徴するかのように、なんと丸焦げの大樹が立往生の状態に。

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かなりの巨木だったに違いなく、それが僅か2m程度の高さまで溶けるように燃え落ちてしまうとは、当時の炎の凄まじさを嫌と言うほど物語っております。

それでも しっかりと根を張り、26年もの間 立ち続けているのは、ここを訪れる全ての人間達に、何かを訴えているかのようでございます。

↓また、すぐ脇にも根こそぎ炭になっている巨木の跡がございましたが…

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↓なんと、えぐられた樹の中心部から新しい命の木が2本、すくすくと…!

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私は写真を撮りながら、この時ばかりは思わず笑みがこぼれました。

↓最も遺体の数が多かった山頂部の墓標に頭を下げ…

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↓下山道を下り、4人の生存者が発見された『すげの沢』へ向かいました。

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↓『沢』というだけのことはあり、あちらこちらから湧き出る水が、ジグザクの急斜面をぬかるませ、大変歩き難い状況でございました。

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『すげの沢』の急斜面は、飛行機が分裂した時の機体後部が爆発をのがれ、滑り落ちて来た場所でございます。

↓途中、なぎ倒された木の跡が、リアルに残骸として残っておりました。

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↓こんな巨木をいとも簡単に突き倒し…

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↓根こそぎ引き抜かれてしまった哀れな巨木たち…

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そして…

激突地点から直線距離にして約200mほど下ったところに、『すげの沢』(上部)はありました。

この『すげの沢』は、事故原因とされる機体後部の圧力隔壁が回収された場所。

↓墓標があちらこちらに…

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ここでは、全被害者の約3分の1の遺体が発見された場所ですが、4名もの尊い命が救出された『奇跡の沢』とも云われております。

残念なことは、激突地点で亡くなられた方々は、ほぼ即死かそれに近い死に方をなされたわけですが、この『すげの沢』まで滑り落ちてきた乗客は、その大半が即死ではなく、数時間は生きていたという事実。

苦しみながら救助を待ち、夜明けとともに息絶えたのだと、生存者の証言から明らかになっております。

救出が早ければ…
↓この方達は、尊い命を失わずに済んだのです。

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事故原因に対し、色々な憶測が乱れ飛んでおりますが…
当時の政府や米軍、そして日航までもが、必死に何かを隠ぺいしようとしていたことだけは確かでございます。

先の東北関東大震災による原発事故にいたしましても、政府や東電がまったく同じ過ちを繰り返そうとしているのですから恐ろしい。

人命よりも、まず体裁。
責任は、すべて弱者に押し付ける。
この国の政とは、昔からそうしたものでございます。

↓すぐ脇に、『すげの沢』の涼しげな水音が聞こえました。

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4人の生存者たちを、この『すげの沢』のせせらぎが一晩中励まし、応援し続けていたのでございましょうか。

↓ここの場所にも、山頂と同様に小屋が設けられており…

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↓やはり遺族が持参した、思い思いの物品が飾られておりました。

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それにいたしましても…

爆発炎上を逃れ、機体後部と共に滑り落ちて来た『すげの沢』付近にばら撒かれた状態のこの方達は、あの時はまだ確かに生きていたのです。

520人の死亡者数とありますが、この場所では妊娠中の女性がおり、お腹の中にもう1人、名もない大切な命も失われてしまいましたので、実際には521人の死者であったと私は云わせていただきます。

なぜ、墜落から12時間以上もの間、放置されてしまったのでございましょうか。

映画『クライマーズ・ハイ』におきまして、最後のテロップが衝撃的でございました。

『…日航機の墜落原因は今も諸説あり、真相究明を望む声は後を絶たない…』

私も…
その中の1人でございます。

===============

さて…
登山口を出発してから約3時間が経ち…
↓いよいよ『すげの沢』ともお別れの時がやって参りました。

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登る時も、下る時も、常に優しく語りかけ、応援し続けてくれた『すげの沢』のささやきに、私は心から感謝したいと思いました。

↓さようなら、美しい『すげの沢』。

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↑ありがとう、美しい『すげの沢』。

2011年 6月 5日 PM 2:18(下山日時)

私は、来て良かった…

本当に良かった…

真っ赤な太陽は 沈まない…

by 桜川
プロフィール

桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

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