ちびくろルーツ(黒人差別)
古本屋でブラブラしていた時の事、なんとも懐かしい本が目にとまりました。
それは『ちびくろ・さんぼ』という、他愛もない幼児向けの物語でございまして、私の世代では知らない者はおりませんし、それほど素朴で世界的にも有名な物語でございました。
ラストシーンで、トラがサンボの周りを高速で回りだし、しまいには溶けてバターになり、そのバターでサンボがホットケーキを作って食べたという絵本、あれが妙に美味そうだったという記憶がございます。
しかしこの『ちびくろ・さんぼ』、現代の子供達には知名度が低く、ほとんどの子供は『知らない』と答えるという結果に驚いてしまいましたが、これには列記とした理由がございました。
1990年頃、人種差別という問題から『クロ(黒)』という肌の色を示した表現、また、無理に唇を厚くするような黒人特有の絵に反発が起こり、とうとう『ちびくろ・サンボ』の本は出版停止になってしまったそうでございます。
私は(私だけではない)この報道を聞きまして首を捻りました。
なぜ差別なのでしょうか…、少なくとも私が少年期にこの本を読んでいて、アフリカの人達に偏見心を抱いたことなどございませんし、その時もまったく感じておりませんでした。
人間、肌の色が違うのは仕方が無いことですし、逆に我々があちらの社会に進出すれば、私達の方が目立ってしまうことでしょう。
少なくとも、日本人にはそのような意識は少ないと思っておりますので、思わず首を捻ってしまったのでございます。
『この本が差別の対象だなんて・・・、そんなことを思うこと自体が差別だろうに』
私はその時にはそう思い込み、出版停止の報道を怒りながら眺めておりました。
真の理由など何も知らず、彼らの苦しみや哀しみを知る由もなく…。
私は程なく一冊の本に出会うことができました。
サイモン・アレキサンダー著 タイトルを 『ルーツ』 と申します。
これは1970年代にドラマ化され、日本でも長期間に亘り放送されていたらしいのですが、私は知りませんでした。
内容は黒人奴隷の実話であり、その内容たるや恐ろしく、とても人間の常識では考えられない、極悪非道物語でございました。
何の罪も無い人間が、ある日突然奴隷狩りに遭い、『奴隷船』と銘打たれた小さな船に押し詰められ、家畜以下の扱いで異国の地(アメリカ大陸)へ運ばれてしまう…、ただ黒人だからという理由だけで。
問答無用の強制的な重労働、動きが悪ければ鞭で打たれ、殴られ、いよいよ使い物にならなくなれば殺される…。
殺された奴隷を調べてみますと、腕の筋肉が切断されている人間がほとんどで、これは限界を超えた強制労働による筋肉疲労の極限状態であったという事実。
読めば読むほど凄まじく、これが実話であると言うことが、現代人の私にはどうしても信じることができませんでした。
奴隷には、それぞれ適当な名前が付けられたそうですが、そんな中で一番ポピュラーな名前が『サンボ』。
この『サンボ』という名前、スペイン語で『ガニマタの猿』という意味なのだそうでございます。
私は、その時初めて気が付きました。
『ちびくろ・さんぼ』というタイトル…、確かに酷いタイトルだったな…と。
情けない話でございますが、今頃になってようやく気が付くことができたのです。
私は心から反省いたしました。
そして、未だに差別を受けている外国人の皆様に対し、できる限りの力になりたいと今尚心から思います。
【画像・奴隷船で運ばれる黒人】

それは『ちびくろ・さんぼ』という、他愛もない幼児向けの物語でございまして、私の世代では知らない者はおりませんし、それほど素朴で世界的にも有名な物語でございました。
ラストシーンで、トラがサンボの周りを高速で回りだし、しまいには溶けてバターになり、そのバターでサンボがホットケーキを作って食べたという絵本、あれが妙に美味そうだったという記憶がございます。
しかしこの『ちびくろ・さんぼ』、現代の子供達には知名度が低く、ほとんどの子供は『知らない』と答えるという結果に驚いてしまいましたが、これには列記とした理由がございました。
1990年頃、人種差別という問題から『クロ(黒)』という肌の色を示した表現、また、無理に唇を厚くするような黒人特有の絵に反発が起こり、とうとう『ちびくろ・サンボ』の本は出版停止になってしまったそうでございます。
私は(私だけではない)この報道を聞きまして首を捻りました。
なぜ差別なのでしょうか…、少なくとも私が少年期にこの本を読んでいて、アフリカの人達に偏見心を抱いたことなどございませんし、その時もまったく感じておりませんでした。
人間、肌の色が違うのは仕方が無いことですし、逆に我々があちらの社会に進出すれば、私達の方が目立ってしまうことでしょう。
少なくとも、日本人にはそのような意識は少ないと思っておりますので、思わず首を捻ってしまったのでございます。
『この本が差別の対象だなんて・・・、そんなことを思うこと自体が差別だろうに』
私はその時にはそう思い込み、出版停止の報道を怒りながら眺めておりました。
真の理由など何も知らず、彼らの苦しみや哀しみを知る由もなく…。
私は程なく一冊の本に出会うことができました。
サイモン・アレキサンダー著 タイトルを 『ルーツ』 と申します。
これは1970年代にドラマ化され、日本でも長期間に亘り放送されていたらしいのですが、私は知りませんでした。
内容は黒人奴隷の実話であり、その内容たるや恐ろしく、とても人間の常識では考えられない、極悪非道物語でございました。
何の罪も無い人間が、ある日突然奴隷狩りに遭い、『奴隷船』と銘打たれた小さな船に押し詰められ、家畜以下の扱いで異国の地(アメリカ大陸)へ運ばれてしまう…、ただ黒人だからという理由だけで。
問答無用の強制的な重労働、動きが悪ければ鞭で打たれ、殴られ、いよいよ使い物にならなくなれば殺される…。
殺された奴隷を調べてみますと、腕の筋肉が切断されている人間がほとんどで、これは限界を超えた強制労働による筋肉疲労の極限状態であったという事実。
読めば読むほど凄まじく、これが実話であると言うことが、現代人の私にはどうしても信じることができませんでした。
奴隷には、それぞれ適当な名前が付けられたそうですが、そんな中で一番ポピュラーな名前が『サンボ』。
この『サンボ』という名前、スペイン語で『ガニマタの猿』という意味なのだそうでございます。
私は、その時初めて気が付きました。
『ちびくろ・さんぼ』というタイトル…、確かに酷いタイトルだったな…と。
情けない話でございますが、今頃になってようやく気が付くことができたのです。
私は心から反省いたしました。
そして、未だに差別を受けている外国人の皆様に対し、できる限りの力になりたいと今尚心から思います。
【画像・奴隷船で運ばれる黒人】

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