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九十五円のパナソニック(松下幸之助)

 それは明治四十三年のこと…

 大阪を走る市電を見て、一人の若者がひらめいた!
 『これからは、電気事業の将来は明るいでぇ~!』

 それから数年後、その若者は自転車をこぎながら、各家庭を訪問販売して歩いておりましたが…

 その男が売り歩いていた物は、単なる裸電球用のソケットでしたが、それはただの電球ソケットではございませんで、何と先端が大小二つに分かれておりました。

 これが俗に言う『二股電球ソケット』でございまして、まだ電気という文明の利器が世の中に浸透し始めた頃の『一口ソケット』が当たり前の時代。

 高下駄の歯が折れて困っている老婆を助けた時に思いつたという改良ソケットでございますが、これは非常に画期的な発明であり、爆発的に売れてしまったのでございます。

 この商品を発明し、製作から販売まで全て自らの手で行った若者、その名を『松下幸之助』と申します。

 自分の奇抜なアイデアを全く受け入れようとしない奉公先を飛び出した後、僅か95円の資金を元手に独立。

 大正七年、大阪の大開町にある四畳半の借家のうち、二畳を製作工場といたしまして『松下電気器具製作所』を創設、従業員は自分を含めて家族三名…、ここが全てのスタートでございました。

 『アタッチメントプラグ』や、『二灯用差込プラグ』など、奇抜ながらも便利な物を次々と発明し、世に送り出していた松下幸之助は、創業からわずか四年余りで、五十名の従業員を擁し、全国に販売される十数種類もの製品を生み出す中堅企業の所主となっていたのでございます。


 世界の松下へ…
 これは現在でも受継がれているパナソニックの代名詞でございます。

 『おい、「インターナショナル」ってなんちゅう意味や? ロシアの革命と関係あるんやろか?』

 『ん~、辞書では"国際的"ちゅうような意味ですな。「ナショナル」だけでは、「国民の」、ですなあ』

 『国民…?ナショナル…? ナショナルなぁ…』

 ナショナルランプ… すなわち『国民のランプ』といたしまして…『これから国民の必需品となる、ええ名前やないか!』

 ここに『ナショナル』という、世界に通用するロゴ名が完成したのでございます。

 私は毎朝東京本社の入口に立ち、必ず巨大なビルディングの最上階を見上げることにしております。

 そうすることによりまして、自分の小ささや愚かさを身に沁みて感じることができますし、今まで積み重ねてきてくださいました諸先輩の偉大さを、あらためて理解することができるからでございます。

 僅か四畳半、畳二枚分のスペースでスタートしたはずのこの会社。

 照明器具の分野では、すでに世界を制覇しております。

 そう…、たった九十五円の資金でも、世界を制することができたのです。

 偉大なる創師 松下幸之助…
 たとえ社名がパナソニックに塗り替えられましょうとも、世界のナショナル精神は絶対に揺らぐことはございません。

 貴方の真骨頂であるナショナリズムの魂は、我々がしっかりと引き継いで、今尚邁進しております。
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桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

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