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ばくは てんさい かのう

 私は本を読むのが大好きです。

 最近はあまり感動するような新作本に出会うことが少なくなりましたが、先日、何の気なしに手にした古本を開いて眺めていただけで、思わず目頭が熱くなってしまった秀作に出会うことができました。

 それは、『くりすあきら』という男性が書いた『ぼくはてんさいかのう』という、全てがひらがなで書かれている本でございます。

 この本は短編的で読みやすく、すごく笑えるかと思いますれば反面ちょっとホロっとくるという、読んでおりまして心が澄んでくるようでございました。

 この作者は、異常分娩のために知的障害、脳性麻痺による身体障害などを背負って生まれ、現在は広島の障害者デイサービスセンターの作業室に通っております。

 子供の頃から書いていた詩や日記を、彼が二十歳になった記念といたしまして、ご両親に出版していただいたのだそうでございます。

 くりすあきらさんは、ご自身の写真を見ればとてもハンサムな青年であり、どこに『障害』があるのかわからないほど、悠々とした面持ちの立派な成人男性でございます。

 ところが、書かれた文字は幼稚園児並で大きく、荒く、単調過ぎて漢字のかの字もないという、表現は悪いのですが、それこそ子供が書いた便所の落書きにも似たり…なのでございます。

 しかし、一生懸命書き込んだというパワーが有り、ついつい引込まれてしまいます。

 では、この中の作品で、私の一番好きな詩を二つ紹介させていただきます。

 関西弁のアクセントで読んでみてください。





 『ありがとうのうた』

 ありがとうといわれたら しあわせになります

 でもありがとうは なかなかいうて もらえません

 しんせつにせんと いうてもらえません

 どりょくせんと いうてもらえません

 ありがとうは しんどいことなのです 

 だからぼくは しんせつにして もろうたらすぐ

 ありがとうと いうことにしました

 ぼくのために どりょくしてくれたんじゃけん 

 ありがとう といいます

 ありがとうは しあわせの あいさつです


                くりすあきら






 『かみさまのわすれもの』

 かみさまがわすれた

 じゃんぷできるあしと はしったりできるあしを

 ぼくがうまれるとき うっかりわすれた みたい

 おかげでぼくは べんりがわるい

 ばすにのるときも かいだんを あがるときも 

 じかんがかかるし つかれる

 でもかみさま きにせんでもええよ

 みんながたすけて くれるけー

 わるいひとも おるが
 
 ええひともおるよ


                くりすあきら


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桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

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