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ヨイトマケの唄

【雑草ポエム 第645話】

2012年の大晦日…
モンゴルで生まれ育った新横綱の日馬富士が、紅白歌合戦での美輪明広が魅せ聴かせた熱唱を受けた後で呟いた!

『全身に鳥肌がたった…』と。

1


『ヨイトマケ』という単語自体が、肉体労働者に対する差別用語でございます。

よいっと‐まけ(巻け!)
重い物を滑車で上げ下ろししたり、綱で引いたりする動作を、大勢で一斉にするときの掛け声であり、転じて、そのような肉体労働(主に地固めなどの仕事)や、土方(土木建築業)を日雇いでする人たちを蔑む意味合いで使われることが多かった時代。

この歌は、美輪氏が幼少時代、一緒に育った友人の亡き母を回顧する歌であり、主人公の過去には幼少時、母親の職業(日雇い労働者)がきっかけで『いじめ』を受けた悔しさなどが多々折り込まれているものでございます。

やむ無き事情で男たちに混じり、厳しくて辛い肉体労働(土木作業)を強いられる母親の姿を見る子供。

それでも我が子を養うために、汗水たらして『エ~ンヤコ~ラ~』と歌いながら一生懸命に働く母親の姿を見る子供。

『母ちゃんの姿を見た時に、泣いた涙も忘れはて、帰って行ったよ学校へ』

この歌が発表されたのは昭和39年…、私が生まれた年でございます故、この頃の時代のイメージが手に取る様に解ります。

昔の子は、いじめられたくらいで『死』を選択するようなバカはおりませんでした…が、しかし、今時の子供は見習うべき親の立派な標本が、いったいどこにあるというのでございましょうか。

『ヨイトマケの唄』 作詞・作曲・歌 美輪 明広

父ちゃんの為なら エンヤコラ
母ちゃんの為なら エンヤコラ
も一つおまけに エンヤコラ

今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄

工事現場の ひる休み
たばこふかして 目を閉じりゃ
聞こえてくるよ あの唄が
働く土方の あの唄が
貧しい土方のあの唄が

子供の頃に 小学校で
ヨイトマケの子供 
きたない子供 と
いじめぬかれて はやされて
くやし涙に くれながら
泣いて 帰った道すがら
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た

姉さんかむりで 泥にまみれて
日に灼けながら 汗を流して
男にまじって 綱を引き
天に向かって 声あげて
力の限り 唄ってた
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た

慰めてもらおう 抱いてもらおうと
息をはずませ 帰ってはきたが
母ちゃんの姿 みたときに
泣いた涙も 忘れはて
帰っていったよ学校へ
勉強するよ と 言いながら
勉強するよ と 言いながら

あれから何年 たった事だろ
高校も出たし 大学も出た
今じゃ機械の 世の中で
おまけに僕は エンジニア
苦労 苦労で 死んでった
母ちゃん見てくれ この姿
母ちゃん見てくれ この姿

何度か僕も ぐれかけたけど
やくざな道は ふまずにすんだ
どんなきれいな唄よりも
どんなきれいな声よりも
僕をはげまし 慰めた
母ちゃんの唄こそ 世界一
母ちゃんの唄こそ 世界一

今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
父ちゃんの為なら エンヤコラ
子供の為なら エンヤコラ


私も、全身に鳥肌が立ちました。
放送禁止用語をそのまま受け入れ、放送を許可したNHKには感謝したい。

体裁の良い言葉だけでは、通用しないものも沢山あるということを、もっと多くの人たちに解っていただきたいと思いました。

by 桜川
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No title

読んでいて
胸に・・じーんときました

TVは見なかったけど、何か涙が出そうな歌です。。。v-406

No title

桃花も 心の深くに響きました。そうでしたか~ 昭和37年なんですね…ってことは、桃花は11才。
クラスの男子がよく歌っていました
その男子の歌声を聴いて、下品な歌だと思っていました…
紅白でお聴きして その歌のもつ深い愛情、厚い愛を強く感じ感無量です。
生活保護をもらって、パチンコいって、子供を虐待している親たちが増えた日本を悲しく思います~

No title

何人かの友人がFBで紅白の彼の歌をとりあげていました。皆とっても感動されたようでした。インパクトがあってすばらしいですね! 私もその頃の時代のイメージが良く分かります。なんともいいがたい。

読んでじんと来ました。私も番組見ていませんが。ありがとうございました。

No title

私もNHKがよく許可したなと思いながら聴いていました。
今やなんでも差別だといって昔の漫画等を封印する傾向がありますが、隠してしまうことがかえって本質をごまかしてしまうと思います。

No title

v-406

No title

紅白で美輪さんが出てきた時
黄色い髪を染め直して、黒髪だったことに驚いて、歌に驚いて~・・・
泣けました。。

今の時代に必要な精神
かもしれないですねv-353

No title

蘭鳥のテーマソングだヽ(´ー`)ノ

No title

紅白はインフルエンザで観れませんでしたが
随分話題になっているみたいですね。

差別にはとても敏感なんですが差別用語だとは知りませんでした。

本来はこの様な労働者の方達によって日本の経済は支えられていることを
もっと自覚しないといけませんね。

No title

私の母は「差別」に対して実践を通して私に教えてくれた人でした。

幼少の頃住んでいたのは川崎の工業地帯近隣の末端下町。

日雇いの人・ドヤガイに住んでる人・韓国籍の人ありとあらゆる人がゴチャゴチャと立ち並ぶ長家のような所に住んでいました。

近所の親戚のおばさんは顔をしかめて子ども達が関わるのを陰で叱りつけ阻止しようとしてましたが、母は小さな私たちに解りやすい言葉でどういう人達なのかを教えてくれつつ、交流する事をあえて奨励する人でした。

もっと長い唄なのよね。全部聞きたかったなぁ。昔のイジメはそれでもどこかでイジメ倒す事はなかったように思います。だから、涙が枯れて戻る事もできた。
現在は現場から離さないとならない位打ちのめしてきます。
人間性が変わってきちゃったんだよね。

No title

この歌のことは、恥ずかしながら詳しくは知りませんでしたが、
紅白を見て、美輪さんの迫力に圧倒されたと同時に、昔の人の苦労がとてもよく伝わってきました。
時代が流れ、今では当たり前のことが苦労を重ねないと得られなかった時代の事・・・。
忘れないようにするために語り継ぐ必要があると思いました。

No title

ちょうど、聴くことができました。
 歌いこまれたミュージカル仕立ての
  迫力もあり魂の籠った歌でした。

 全身を黒で統一されより一層
  他に色がないことで、ぐっと歌に引き込まれていく演出も素晴らしかった!

 きっと、何かしら届いたと思いたい。

No title

歌の出だしは聞いた事がある
でも差別用語だったとは



昔は子育ての為に、親は一生懸命に働いていた
と言う感じがヒシヒシと伝わってくる歌

でも今は、楽してお金を貰おう(働けるのに働かずに生活保護)という人が多すぎる←話が反れてスマソ

No title

美輪さんのヨイマケの唄は、
映像を観ながら、
唄を聞きながら、
歌詞を読みながら、
心の中に強く残りました!

亡くなった母は、
身体が動ける時は、父と共稼ぎで、
いつも、働いていたので、
母の事を思い出してしまいました。

No title

この曲いろいろな歌手が歌っていますよね。
聞き比べをしてもやはり美輪明広のが一番心に響きます。

私は1年間だけですけど、神学校を卒業して大阪の愛隣地区の人たちとこんな仕事をしたことがあります。

いい経験だったと今でも思っています。

新年最初の雑草ポエム、素晴らしかったです。ありがとうございました。

No title

私もこの歌を聴くと鳥肌が立つわ。
最初、聴いたのは高峰三枝子と確か横内正が出てたTV ドラマだった。

No title

今回の紅白最大のシーンであったと思います。
「丸山明宏」と名乗って、朝のテレビ「モーニングショー」に登場したときのことを覚えています。
当時も大変な反響でした。私がまだ中学生の頃のことです。

桜川さん、投稿ありがとうございました。

No title

あいにく紅白見てなかったんやけど、 じっくり聴いてみたくなったなあ

ええお話ありがとう

No title

最近の曲は、体裁だけ整えた感じで、全然心に響いて来ないです。

この歌詞は、ズンと来ました。


それにしても今の歌は、本当に大人しい歌詞ばかり。

時には「やんちゃ」もありですよ。

No title

うわっ、スゴイ! 昨日夕食のお皿洗いしながらこの歌を思い出してたんですよ~~~~ 桜さんとシンクロした! 感激~~^^

No title

えびっちさん
当たり前ですが、子供の頃に聴いた時と今とでは全然違いますね。
歌詞を読むだけで涙が出ます。

No title

桃花さん
昭和39年です(汗)
故に、桃花さんが13歳のときですかね~?
冒頭の部分はお笑い番組などでも多く歌われており、お下品なイメージしかなかったわけですが、今聴いて鳥肌が立つのが何とも不思議な気分です。

No title

masaegbさん
反響が大きかったのは確かですし、色々な方が意見を述べておりますが、私は私なりに私流で書かせていただきましたので、masaegbさんの心に通じてくれたのか否か心配です。
コメント、ありがとうございました。

No title

ぐっどさん
民放では却下されっぱなしだったようですが、天下のNHKがOKを出したのですから素晴らしい事だと思います。

No title

愛の化身さん
素晴らしい感想です!(汗)

No title

チェリさん
誰しもがあの真っ黄色のヘアーで偉そうに出て来るとばかり思ってましたね。
歌う姿は…立派な男性なんだ~と、しみじみ思ってしまいました。
時代は変わってしまっても、変えてはいけないものもありますよね。

No title

laundryさん
なんと、リングへの入場曲でしたか!(←プロレスか)

No title

亜子☆さん
目玉のなかった紅白ですが、終わってからこれほど話題になるとは思いませんでしたね。
歌というより、人生劇場のワンシーンを見ているようで、曲にというよりは美輪さん本人に惹きこまれていくようでした。
そしてこの歌は、決して日雇い労働者を蔑んでいる意味ではありませんからね。

No title

さくちゃん
もしかしたら居住地も我々は近かったかもしれませんね。
私とて京浜工業地帯の一歩手前、JR鶴見線沿線から程近い場所で生まれ育ちました。
連日光化学スモッグ警報が発令され、工程での運動も控えなくてはならない日々が続いてみたり。
わが父もそうした中で肺病となり、あの空気に殺されたと今でも思っております。
なので、さくちゃんの親御さんと同じく、そうした人たちは実に身近で接することも多く、彼らやその子供達の気持も良く理解できるというものです。

No title

ふくちゃん
私も冒頭の歌詞をふざけ半分で覚えている程度でして、内容を把握したのはごく最近の事でございます。
なので、より一層心に響いて聴こえたというわけなのです。
美輪さんがこの歌を選曲し、NHKが放送したことによりまして、若い世代へ語り継ぐことができたと思います。

No title

きなこ♪♪さん 
なるほど、ミュージカル仕立てとは気が付きませんでした。
確かにそんな雰囲気がありまし、そこはやはりベテランの貫録ですね。
ただ、キムタクが何の用があったのかなと(汗)

No title

くまbuuさん 
歌いだしの部分は昔から有名で、一般庶民も事あるごとにエ〜ンヤコ〜ラァと歌ってましたっけ。
ヨイトマケの深い意味を知ったのは最近のことでしたので、ああして生放送で聴くことができて本当に良かったと思ってます。

No title

ハナの父さん 
亡くなられたお母様も働き者だったのですね。
ならば、尚一層ヨイトマケの唄が心に響いたことと思います。
年末に、いい唄を聴けたと感謝したいですね。

No title

おだまきさん
いつも嬉しいコメントをありがとうございます。
サザンの桑田さんも歌ってましたね。
愛の賛歌もそうですが、何か繋がりがあるのでしょうか。
何れにいたしましても、オリジナルの美輪さんの熱唱には敵いません。
この唄を私ごときが分析などして怒られるかもしれませんが、読んでいただけて光栄です。

No title

ハッピーウォーターさん 
コメントをありがとうございます。
昔のTVドラマでは、主題歌だったのでしょうか?
ドラマの内容が想像できますね。

No title

タツさん 
いつも嬉しいコメントをありがとうございます。
確かに、当時は丸山という名で歌っていたようですね。
モーニングショーという番組タイトルも懐かしい響きです。
小川弘ショーとかありましたよね(笑)

No title

くまみんさん 
紅白見ないでガキ使みてたん?
ねーさんらしいから許せるわ(笑)

No title

◆ひろし◆さん 
昔のアニメもピー音だらけで編集されまくってますが、あれもどうかと思いますよね(汗)
ギャートルズのドテチンにパンツをはかせたようなものでしょう。

No title

Junさん 
ひろしさんも言ってますが、我々は何か赤い糸で繋がっているのかもしれませんねぇ(笑)
むひひひひ。。。

No title

 おお、そんな歌だったのか。紅白が流れてはいたけれど、仕事をしながらだったので、ちらっと見て、え?三輪明宏ってこんな人だっけ?と思ったことしか覚えていなかった。そうか~、しみじみ、今聞いたわ。

 そうそう、昔って薄汚れた子供とか、鼻たれ小僧とか、悪がきとか、たくさんいたよね。いじめもあった。でも、みんなそれなりにまっすぐだったな。

No title

桜川さん 
ガキ使は録画して おせち作ってたんやv-356

No title

桜さん、 本当に繋がってるんだねええ〜〜〜  むひひひでなく わはは! で

No title

31日は紅白を見ずに徘徊していました^^;
聞き逃したのが残念ですね

今この時代に
美輪さんが紅白でこの歌を歌ったことに
意義がありますね

No title

桜川さん 昔のTV はドラマの中で突然現れて歌いました。

No title

いつものオールバクの黄髪の美輪明宏しか知らない私にとって、先ずあのアピアレンスが衝撃的でしたね。
そして元々少し震えが入っている様な声の出方をしている美輪さんの、本当に入魂の『震え歌声』が聞けました。

歌詞を全部アップされたのはさすがですね!

No title

なこさん
大晦日でも仕事でしたか。。。
横目でチラ見しながらでは意味も内容も解らなかったでしょうね。
国技館の2階席でコックリコックリしているかんじで(笑)
昔はガキ大将でも筋が通ってました。

No title

くまみんさん
夜なべで御節料理とは素晴らしいですね♪
少し食わせんかい!

No title

桃花さん
はいはい。

No title

洋さん
いったいどのあたりを徘徊していたのでしょうか(笑)
きっと綺麗どころに囲まれて…紅白どころではなかったことでしょう。
いいなぁ、羨ましいなぁ。。。

No title

ハッピーウオーターさん
なるほど、そういうことでしたか!

No title

トコトコさん
歌詞を書いて、読んでみて、あらためて涙が出るのは何故でしょう。
紅白での姿は舞台役者その者でして、思わず感動してしまいました。
まだまだ貴重な存在ですね。

10年くらいまえかな、テレビで歌ってたけどその時よりも更にパワーupしてたなー。
三輪さんはすごいな。
プロフィール

桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

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