人情相撲

【雑草ポエム 第475話】
私は、大相撲というものを真剣に観るようになりましたのが8歳の時。
それ以降、年間6場所開催される大相撲の本場所とは、ある意味生活のリズムであり、掛け替えのない楽しみでございました。
本来でありますれば、明日から平成23年度 大相撲3月場所が初日を迎えるという大切な日…。
通例でありますれば、大阪の街では『ふれ太鼓』が テン テケテケテ~ンと響き渡り、緊張した力士たちが顔を赤らめ、落ち着きなく街頭を右往左往していたであろう 今日のこの時。
3月場所の開催中止…
本場所とは、力士たちにとりましては命。
本場所の土俵を目標とし、死ぬような思いで稽古に励み、その成果を試さんとする場を失ってしまった力士たちの心情とは…。
世に言う『八百長相撲』とは、ファンに対する裏切り行為。
金銭授受などもってのほかであり、絶対に許されることではございません。
しかしながら…
『人情相撲』とは、ある意味日本の文化であると心得ます。
これは日本人の代々受け継がれた国民性…
『腰ぬけ外交』などと世界的に舐められ続けておりますのも、同じ理由からだと思います。
先日、元力士がこぼしておりましたが…
『状況によっては、対戦相手の背中に彼の家族が映って見えることもある…』
これは何も角界だけのことではなく、他の実社会におきましても同じような境遇が多々あろうかと思います。
日本人の『心』とは尊いものでございます。
その『日本人の心』こそが相撲道の極意であり、それらを全て含めた真の大相撲の理解者でありたいと、私は心底思っております。
大相撲は目で見ずに、心で見た方が数倍面白いものでございます。
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以前、自分のHPに載せてバッシングを受けてしまった記事がございますが、その一部を敢えてここに転記し、今一度皆様からのご意見を伺ってみたく思います。
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北の湖 敏満という大横綱がおりましたが、彼の通算優勝回数は24回(うち、全勝優勝7回)であり、大横綱の名に相応しい、実に素晴らしい成績を残されました。

しかし、当時の彼の強さをもってすれば、この数字はあまりにも少ないように思えてなりません。
これはあくまで個人的見解に過ぎませんが、もし、北の湖という力士に『心』というものが存在しなければ、きっと彼は30回以上の優勝回数を軽く超えていたに違いない…と思っております。
『ここでオレが勝ってしまったら…』
天井が見えなくなるほどの座布団を全身に受けながら、勝ち名乗りを受けることなく足早に支度部屋へ下がっていった北の湖の心境たるや…。
ヒーローがいればヒールもいる。
それを『八百長』などという見難い言葉で簡単に片づけられてしまっていては…。
私の心の本場所は、明日から初日を迎えます。
まったなし!
by 桜川
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