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ぼくは てんさい かのう



1月14日(月) 本日の雑草ポエム

 タイトル 
  『ぼくは てんさい かのう』

私は本を読むのが大好きです。
最近はあまり感動するような新作本に出会うことが少なくなりました…が、何の気なしに手にした本を開いて眺めていただけで、涙が止まらなくなった秀作を、本日はご紹介させていただきます。

それは、『くりすあきら』 という男性が書いた 『ぼくはてんさいかのう』という、全てがひらがなで書かれている本でございます。
この本は短編的で読みやすく、すごく笑えるかと思いますれば 反面ちょっとホロっとくる。
読んでいて心が実に澄んでくるようでした。

この作者は 異常分娩のために 知的障害、脳性麻痺による身体障害などを背負って生まれ、現在は広島の障害者デイサービスセンターの作業室に通っています。
彼が子供の頃から書いていた詩や日記を 20歳になった記念といたしまして、ご両親に出版していただいたのだそうです。

くりすあきら さんは、写真をご拝顔してみますと とてもハン サムな青年で、どこに障害があるのかわからないほど、悠々とした面持ちの立派な成人男性でございます。
ところが、文字は幼稚園児並で大きく、荒く、漢字のかの字もない。
表現は悪いですが、それこそ子供が書いた便所の落書きにも似たり…なのです。
しかし、一生懸命書き込んだというパワーが有り、ついつい引込まれてしまいます。

本日は 私の一番好きな詩を2つ紹介させていただきます。
関西弁のアクセントで読んでみてください。

『ありがとうのうた』

ありがとうといわれたら しあわせになります
でもありがとうは なかなかいうて もらえません
しんせつにせんと いうてもらえません
どりょくせんと いうてもらえません
ありがとうは しんどいことなのです 
だからぼくは しんせつにして もろうたらすぐ
ありがとうと いうことにしました
ぼくのために どりょくしてくれたんじゃけん 
ありがとう といいます
ありがとうは しあわせの あいさつです

くりすあきら


『かみさまのわすれもの』

かみさまがわすれた
じゃんぷできるあしと はしったりできるあしを
ぼくがうまれるとき うっかりわすれた みたい
おかげでぼくは べんりがわるい
ばすにのるときも かいだんを あがるときも 
じかんがかかるし つかれる
でもかみさま きにせんでもええよ
みんながたすけて くれるけー
わるいひとも おるが
ええひともおるよ

くりすあきら



『雑草ポエム』 
http://www18.ocn.ne.jp/~benizaku/
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桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

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