和風 ドゥアップ


本日の雑草ポエム
タイトル
『和風 ドゥアップ』
それは1980年の春、爽やかな季節を演出するかのように、TVのスピーカーから心地良い男性グループのハーモニーが流れてまいりました。
それはパイオニアというメーカーが製作した『新型ラジカセ』のCMでして、商品名は『パイオニアRUNAWAY(ランナウエイ)』と申しました。
♪ ラァ~ナウェ~イ (ランナウェイ)
とぉても好ぅきさ~ (ランナウェイ ウェ~イ)
つぅれてぇえ~ (ランナウェイ)
いぃってあげるよぉお~ (Wo Wo Wo ~) ♪
この曲が流れ出しますと、思わず画面に釘付けになった若者は多かったと思います。
あの当時といたしましては、『ドゥワップ』 というノリは 非常に新鮮な響きであり、引き付けられるハーモニーでございました。
この歌を歌っておりましたのは、当時 新宿のルイードを毎月満杯にしたり、CMソングを数多く担当したりと、スーパーアマチュアグループとして 陰ながら活躍していた『シャネルズ』(後のラッツ&スター) という名の ヤクザレバンドでございました。
CMの作曲を手掛けておりました井上大輔さんが、この曲をシャネルズに歌わせましたところ『まるで背筋に電気が走ったように感動した…』 と言い、初めは冒頭のワンフレーズ(CMソング用)しか無かった歌詞を、作詞家の湯川れい子さんに付け加えていただきまして、ついに完成したのが『ランナウェイ』
これが大ヒットいたしまして、無名バンドのデビューシングルにして、何と110万枚を超える大ミリオンセールとなってしまいました。
その後、勢いに乗ったシャネルズは、『トゥナイト』・『街角トワイライト』・『ハリケーン』・『涙のスウィート・チェリー』等々を、全て連続してベスト10入りのヒットを記録するなど、デビュー後 僅か1年で 巨大な大スター軍団に伸し上がってしまったのです。
ところが・・・
爆発的に売れまくりました 『シャネルズ』 でしたが、その人気も僅か1年足らずで失速し、TVから歌声すら聞こえてこなくなってしまいました。
その理由は簡単でございまして、個性的なキャラクターが揃ったメンバーの中でも、特に印象の強かったのが『田代まさし』と、『桑野信義』。
この2人を中心に、いつの日からかお笑いグループという印象が根強くなってしまい、肝心なドゥワップ・ミュージックのイメージを狂わせてしまっていたのです。
恩人の作詞家 『湯川れい子』 さんにも見切りをつけられ、その後、起死回生にと『ラッツ&スター』 と グループ名を変更し、CMソングの『め組のひと』 を一時的にヒットさせたものの、やはり歌手としての人気は長続きせず、歌唱力の優れている鈴木雅之さんのみ音楽活動を続けましたが、田代・桑野の両名はお笑いタレントとして本格的に活動し、他の面々は事実上解散する形となってしまいました。
その後、メンバーの盗撮事件等が発覚し、T・M容疑者本人だけでなく、『ラッツ&スター』 という一時代を築いたグループ全体が 世間の笑いものになってしまったことは痛々しい出来事でした。
今現在、あの名曲 『ランナウェイ』 を口ずさむだけで、周りの人々から笑われます。
T・Mという大馬鹿者、私は今でも許すことができません。
しかし、あのグループをスターダムに伸し上げたのは、曲に恵まれただけではございませんで、軽快なステップに乗った鮮やかな振り付け…、そう、特に『め組のひと』 の軽快なダンスは素晴らしかった。
その全ての振付を一人で考案し、皆に叩き込んだのは他でもない、あのT・Mでございます。
彼の父親もプロの振付師として活躍していたそうですが、その父親も舌を巻く程、天才的な振付ができる有能な人間でございました。
人間とは正に 『馬鹿と天才は紙一重』 でございますね。
真に残念、極めて無念…!
by 桜川
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