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つき手か かばい手か・・・ 其の一



『これは絶対に貴ノ花の勝ちだよねぇ』

『ば~か、相撲には《かばい手》っていうのがあるから、これは北の富士の勝ちなんだ!』

私が大相撲に全く興味を示さなかった幼き頃、16インチの小さなTVの面前で、大相撲中継の判定をめぐりまして、ちゃぶ台をはさんで揉めている可愛い両親の姿がございました。

それは、昭和47年大相撲1月場所 中日8日目 結びの一番、大相撲史上に残る『劇的なドラマ』 を目の当たりにした私でも、『おかしいよな…』 と首をかしげるほどの出来事でございました。

横綱 北の富士 vs 関脇 貴ノ花の一戦におきまして、立合い鋭く組み止めた横綱は、一気に勝負を付けようと長い左足で外掛けを仕掛け、攻勢に出ようとするやいなや、下半身の強靭な貴ノ花はそれを跳ね上げながら体を入替え、西土俵へ吊り気味に寄りたてます。

伸び上がりながらも残した北の富士は土俵の中央、がっぷり四つの体制から今度は右の外掛けで貴ノ花の体制を崩しに掛かる…

と その時、タイミングよく貴ノ花が何かを仕掛けようとした状態の上に北の富士の右外掛けがやや高めに決まってしまい、貴ノ花の腹の上に覆い被さるような体制となったのです。

貴ノ花の細い身体は まるで 『くの字』 に折れ曲がるかのよう…
(危ない!)




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普通の力士であれば、あのまま北の富士に重ね餅の状態で 『あびせ倒し』を決められていたならば、後頭部強打で大変なことになっていたことでしょう。

危険を察知した北の富士は、貴ノ花を怪我から守るという意味合いで、倒れこむ前に自ら右手を土俵に付いたのです。

これは立派な相撲のルールであり、『かばい手』 であったと判断されれば、、先に土俵へ手が付いたといたしましても負けにはならない決まりがございますし、相撲協会に君臨する人間であれば、誰でもすぐにソレだと判断できたはず。

が、しかし…
立行司の木村庄之助は、自信を持って 軍配を西の貴ノ花に上げたのです。

『そんなバカな…』
勝負審判員の全員が、そして横綱 北の富士も同じ思いで怒っており、土俵下から長引く『物言い』 を睨みつけておりました。

当時 小学1年生の私にでも、相撲の単純なルール(丸から外へ押し出すか、足の裏以外の部分が土俵に付いたら負け)くらいは理解できておりましたが、そうした細かいルールまで知りませんでしたので、単純に母親の言うとおり、貴ノ花の勝ちだろうなと確信していたのですが…。
(次週16日(金)につづく・・・)





 by 桜川





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