酒と泪と男と女

『お~い ママさん、ゆうせんの【サケナミ】ねぇ~、俺からのリクエストで頼むわ…』
私が学生時代、生意気にスナックなどに寄り込んで騒いでいた当時、あちらこちらのカウンター席から、上記のようなリクエストが飛び交っておりました。
この【サケナミ】とは、今は亡き 河島英五さんの名曲 『酒と泪と男と女』 の略でございまして、酒場では サラリーマン諸氏を中心といたしました、幅広い年代層から親しまれておりました。
飾り気のない伴奏が流れ出し、やや掠れ気味の男の歌声がスピーカーから流れ出す・・・
♪ 忘れて~ しまいたいことや~
ど~しようもない 寂しさにぃ~
つつまれた時に 男はぁ~
酒を~ 飲む~ のでしょう~ ♪
まだ怖いもの知らずで 粋がっていたあの当時、歌の意味もロクに熟知しないまま、カッコをつけて口ずさんでみたりしておりましたが・・・
今 この年になりまして、ようやく作者 『河島英五』 の心が理解できるようになり、内容を噛締めながら愛車内等で口ずさんでおりますと、自分の愚かさが身に染みる思いがいたします。
何かを忘れたいがために酒を飲むという、寂しい中年紳士の後姿を軽蔑し、絶対にこんな人間にはなるものかと心で誓っておきながら、結局私も同じ途を辿るのでございましょうか…。
私の大好きでした母方の祖父に、強く戒められたことがございます。
『いいか、酒は腹で飲むものだ。絶対に頭で飲んではいけないよ!』
じいちゃん…
そんなことは解ってるよ。
解っちゃいるけど、頭に沁み込む時だってあるんだよ…。
最高にカッコ悪りぃザマを曝け出した状態でも、口から出るのはあのメロディ…
♪ 飲んで~ 飲んで~ 飲まれて~ 飲んで~
飲んで~ 飲み潰れて眠るまで~ 飲んで~ ♪
2001年の紅白歌合戦で、友人の堀内孝雄さんが、その年に永眠した『河島英五』 を偲びつつ、泪を流し 鼻水をすすり上げながら熱唱しておられましたが、やはりこの歌に 『カッコよさ』 はいらないな~と、改めて思い知らされた気がいたしました。
そう…
カッコなんざ クソ喰らえ!
by 桜川
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