独眼竜の覚悟
かつての名武将 『独眼竜正宗』 こと 伊達政宗公は、己の失態を軽んじず、死に装束を身に着けて太閤秀吉の裁きを受けたことがございます。
私もかつて、似たような境遇に追い込まれた時がございました。
自分の判断ミスにより、膨大な研究費用を無駄にしてしまったことで、会社組織に多大なる損害を与えてしまった時のこと。
私は死ぬ（退職）覚悟で大阪本社へ向かい、苦虫を食い潰した様な顔をしている取締役数名を面前といたしまして、ことの成行きを説明し、深々と頭を下げて詫びました。
現代社会におきまして、そのまま日本刀で打ち首になるとは思いませんでしたが、巨大な組織の１個人に対する 『冷淡さ』 は十分過ぎる程理解していただけに、取締役が次の言葉を発するまでの ほんの僅かな時間ではございましたが、さすがに生きた心地がしませんでした。
『科学実験に失敗は付き物じゃないか・・・気にするな！』
その言葉に、私は思わず・・・
『お・・・お館さまぁ～・・・』 と、正宗のごとく泣き崩れんばかりでございました。
その後、我々研究班は、後の雑草ポエムでも記しますが 『プッチンプリン』 の原理をヒントとし、照明用の 『自動点滅器』 を低コストで生産できる機能を開発！
これによりまして、あっという間に３億を超える我が部署の損失を取戻すことができたのです。
【人の上に立つ者は 心に一匹の鬼を飼え】 と申しますが、仏心もあったればこそ、この成功に繋がったということでございます。
秀吉公も、家康公も、有能な伊達正宗に刃を向けず、上手に上手に利用しながら、最終的には天下太平を手中に収めた眼力は 天晴れでございました。
将軍…ねぇ
北の 『なんたら将軍様』 とやら
アンタに仏心の欠片でもあったらなぁ・・・
ｂｙ 桜川
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