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角聖




以前、私の管理いたします掲示板に、『大相撲の錦絵に描かれている力士像は、皆両手を下に下ろしているのはなぜでしょうか?』 という質疑を書き込まれた事がございました。

投稿者いわく、プロレスや、K-1等ファイター達のポスターには、強く大きく見せるために、両手を高く上げる威嚇のポーズが多い中、同じ格闘技でありながら 大相撲の力士像は 『静』 の姿勢を崩さないのが不思議であるということでございました。

私はその問いに対しまして、こうお答えしたのです。

『大相撲(柔術も含む)とは格闘技にあらず、必ずしも勝敗に拘らなければならないものではございません。 最強格の 『横綱』 でも、『心・技・体』 が伴わなければ周りが真のチャンピオンだと認めてくれません。 大相撲の場合、他の格闘技のように、ただ勝てば良いのだという
ことではないのです』 …と。

しかし、結論的には 『錦絵を描く和紙のサイズが定められており、両腕を上げる格好を描くと、力士が小さくなってしまい、力強さが出せない』 という、正式な回答を後日得られましたので、あえなく私の見解は却下となってしまったのですが・・・

昭和11年1月場所から昭和14年1月場所まで、69連勝という不滅の金字塔を築いた大横綱 『双葉山』 は、実は右目がほとんど見えないというハンディを背負っていたという話は有名でございます。

この事実に関しましては、昭和20年11月場所に引退した後、双葉山自身の口から公に明らかにされるまで、両親や、親しい知人の一部しか知らず、部屋の師匠は元より、一門の力士達ですら知らなかったとは…。
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双葉山は、このような重い自身のハンディを背負ったまま、不滅の連勝記録を樹立いたしました。

ところが、力士達の間では 『双葉山の右眼はおかしいのでは…』 と危惧されていたと申します。

『双葉山の取組内容には不審な点が多々ある…』
それは、実際に胸を合わせ、対戦した力士だからこそ解ること。

これも後に明らかになったことですが、双葉山は全力士から徹底的に研究され、右眼のことは噂でなんとなく知らされていたというのです。

何ということでしょう…

しかしながら、その当時の力士達は誰一人として、双葉山のハンディを確かめるという、卑怯な仕掛けをするような力士はおりませんでした。

唯一、70連勝にストップをかけた安芸ノ海の一番も、タイミングのよい外掛けが決まり、双葉山がバランスを崩して左膝から落ちたもので、決して右眼を狙った戦い方ではございません。

右眼のことを隠し通し、不滅の大記録を樹立した双葉山。
そして、そのハンディを薄々気付きながらも 決して戦術として使うことなく、真正面から戦い続けた力士達…。

その精神こそが 『日本の国技たる大相撲』 というものでございます。

『大相撲の力士は、必ずしも勝つことのみが目的ではなく、勝敗に拘らなければならないものではないと思うのです…』 と、理論つけた私の発言ではございましたが、必ずしも間違った回答ではなかったと確信しております。
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思い起こしますれば平成17年、横綱の朝青龍が大相撲九州場所を制したことにより、史上初の7連覇という快挙を成し遂げたにもかかわらず、多くの大相撲ファンや、関係者等から絶賛されることはございませんでした。

貴乃花が膝に爆弾を抱えながら再起の土俵へ上がった平成14年9月場所で、当時大関だった朝青龍が敗れた後、悔し紛れに 『アイツの痛めている足を狙えばよかった!』 と暴言を吐いたと申します。

既に大関という地位に就いていた朝青龍は、なぜあのような暴言を発したのでしょうか。

彼を大関に推挙された日に、自ら口上で述べたはずの 『大関の名を汚さぬよう…』 とは、いったいどの程度の心境で発した言葉なのでございましょうか。

『誰もオレの所へ出稽古に来ない!』 と 不貞腐れる前に、その根本的な原因を追究する必要がございますでしょう。

本能的に尋常ではない負けん気の強さから、相手を破壊してしまうほど痛めつけなければ気が済まない朝青龍に対し、公傷制度を適用されなくなった現在の力士達が稽古に出向ける理由がございません。

日本人力士の情けなさばかりがクローズアップされて久しいですが、彼等とて人間であり、先の人生を考えますれば当然の事なのかも知れません。

しかし…
伸び行く若い芽に快く胸を貸し、相手を増長させるのも横綱の責務でございます。

その昔、角界の猛牛として恐れられた琴櫻の強烈なブチかましを皆が恐れ、稽古相手が逃げ回って困っていたところ…

『ようし、来いや この野朗!』
快く稽古場で胸を貸してくれたのは 史上最強の大横綱、大鵬さんでございました。

後に琴櫻は横綱へ昇進し、記者会見の席上で大粒の涙を流しながら搾り出した第一声が…

『大鵬さんのおかげです…』


 by 桜川


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