柔よく剛を制す


私が 『柔術』 というものを志したのが中学へ入学した時でした。
元々格闘技の好きな私は、部活動を選択する際、躊躇することなく柔の道を選んだのです。
初めて青々とした畳の敷かれた道場に足を踏み入れました時、まず最初に目に入りましたのが 【柔よく剛を制す】 と書かれた看板文字でございました。
この言葉は、確かによく耳にする言葉ではございましたが、その時は言葉の意味など知る由も無く、さほど気にも止めておりませんでした。
しかし、時が経つにつれ、柔道というものを究めれば究めるほど、その言葉の持つ本来の意味をしっかりと理解することができたのです。
【柔よく剛を制す】 とは…
『柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができるということ』
すなわち、極端に体格の差があり、圧倒的に不利な立場の人間でも、何かを変化させることにより、相手を倒すことが可能になるという極意でございます。
この言葉は、その後 実社会でも大いに役立ってくれましたし、勿論今現在でも心の中に戒めまして、日々大きな敵と戦うことができております。
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思えば一昔前、柔道の日本選手権で、72㎏級の古賀稔彦選手が、95㎏超級の小川直也選手と対戦し、何度も伝家の宝刀 『背負い投げ』 を仕掛けましたが、巨漢の小川には全く通じず、敗れたことがございました。
柔道家としてのセンス、心、技、そのどれを取りましても古賀選手の方が一枚上であったはず。
しかし、そんな超一流で天才的な古賀選手をもってしても、体重差のある小川選手を仕留める事ができませんでした。
【柔よく剛を制す】 の魂を持ってしても、なぜ小川選手に勝てなかったのでしょうか。
それには、列記とした理由がございました。
古賀選手は体重差のある小川選手に対しまして、正々堂々と真正面から攻めたてた上、己の力で巨漢の相手を投げようとしたのです。
しかし、それは 『剛の攻め』 にすぎない…。
体の大きい 『剛』 の相手に対し、古賀選手も 『剛』 で攻めてしまったのです。
『剛』 対 『剛』 であれば、20kg以上の体力差に圧倒されて当然でございます。
天才 『古賀稔彦』 選手が、柔道家として犯してしまった唯一のミスでございました。
【柔よく剛を制す】 の真髄とは…
『外面的な力が上回っている相手に対し、同じ力で対抗しようとしても無理だが、それを少しずらせれば、外の力を上回ることが可能になる』
その昔、大相撲界では、170cmにも満たない超小兵力士 『舞の海』 が、2mを超えるハワイの巨漢 『曙』 を、フェイントを効かせて懐へ潜り込み、【三所攻め】 という小兵力士ならではの連続技にて倒すことができたのも、この真髄を究めていればこそでございます。
自分の潜在能力とは、自分が思っているよりもずっと凄いものなのかもしれません。
【柔よく剛を制す】
そのことに早く気が付け…
日本の子供たち!
by 桜川
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