情熱 情熱 情熱!

スカッと晴れた秋空の元、私は新橋の汐タウン前に立ち竦み、ただ呆然と新調された看板に掲げられたアルファベット文字を、無言のまま独りで眺めておりました。
Panasonic
私にとりまして、偉大な代名詞でありました 【松下】 という歴史的な看板と共に、燻り続けておりました情熱も同時に掻き消されてしまうという想いがつのりまして、思わず涙ぐんでしまいました。
あれはまだ私の情熱が覚めやらぬ頃…
担当しておりました部内におきましては、優秀な人材確保に躍起になっておりました。
特に 『団塊の世代』 の大量退職(定年)に伴いまして、そうした志向が強まっていたのですが、 『景気回復』 という現実性の無い触れ込みも追い風となりましたので、就職希望者といたしましてはかなりの 『広き門』 状態となっていたことは確かでございました。
そうした中、新卒の内定者が担当しておりました部に10名ほど見学に参りました折、私はリーダーといたしまして個人的にそれぞれ 『若者の意見』 というものを聞いてみたのですが…
な…なんと情けない。
まぁどいつもこいつも 『いい所のお坊ちゃん、箱入りのお嬢さん』 という、指でチョイと突っつけば簡単にひっくり返ってしまいそうな弱々しい連中ばかりなり…。
意見にいたしましても 『右へならえ!』 的な頷き軍団の勢ぞろいでして、『私はそう思わない!』 という反骨的な情熱を持った若者は残念ながら一人もおりませんでした。
ただし、これは少子化の影響もあるのでしょうが、皆 素晴らしい学歴の持ち主ばかりでございまして、その年は全員が東京6大学の卒業(予定)者ばかりでございましたが…
いやぁ…
いつもながら思うことですが、昨今の人事部というものはいったい何を基準として新人を選択しているのでしょうか。
私には単に 『学歴』 ばかりを重要視しているとしか思えないのですが、これが大きな間違いの根源であると断言しても良いと思います。
私が新卒社員でした頃、あの職場はまさに戦場でした。
厳しい戦後を勝ち抜いてこられた団塊の世代たる先輩方に、怒られ、怒鳴られ、脅かされ、新人は皆汗だくになりながら駆けずり回っていたものです。
それでも成果をしっかりと認めてくれる、実に見極めの素晴らしい先輩達でましたので、辛くても頑張ろうという意欲が日を追うごとに増してきたものだったと記憶しております。
はっきり申しまして、そうした戦場に 『学歴』 なんぞ何の意味も価値もございません。
実際問題、『団塊の世代』 と呼ばれた大先輩方は、時代が全然違うとは申せ、小・中卒のまま大出世をなされたド根性の持ち主であり、桁違いの情熱家であったということは間違いのないところでございます。
そう、要は 『情熱』 なのです。
情熱 情熱 情熱!
この情熱さえあれば、どんな苦難にも立ち向かうことができるのですが、残念ながら私はその 『情熱』 とやらをどこかに置き忘れてきてしまったようでございます。
※ 写真は新卒社員時代の桜川。
情熱だけは誰にも負けなかったです!
by 桜川
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