八百長


八百長…
まったくもって暗い話題の尽きない昨今の大相撲界ではございますが、訴えている連中の発言を一つ一つ紐解いてみましても、その全てが実に馬鹿げており、大の大人が真昼間からヒマを持余し、公共電波を向うに回していったい何をほざいているのでございましょうか。
八百長などという言葉は、大昔から大相撲の世界のみならず、人間同士が競い合う 『勝負事』 におきまして、よく使われてきた悪口語でございましょう。
金銭授受などありえない。
なぜ貴ノ花は優勝賞金200万円(当時)を獲得するために、北の湖に400万円もの謝礼金を支払わなくてはいけないのでしょうか。
当時の横綱北の湖と申しますれば、現役時代は 『憎ったらしいほどの強さ』 を誇ります、典型的なヒール役の代名詞でございました。
今回問題となっております昭和50年3月場所(写真)、大関貴ノ花の初優勝が懸かった大一番、本割で貴ノ花を上手投げて土俵下に叩き付けた北の湖は、超満員の観客から一斉にブーイングを浴びてしまいます。
そして決定戦、大阪府立体育会館の9割以上が貴ノ花の初優勝を望んでおり、その雰囲気たるや尋常ではございませんでした。
もし、日本中が注目するこの大一番で北の湖が圧勝してしまったら、館内は暴動化していたかもしれませんし、相撲人気にも悪影響を及ぼし、さらには北の湖自身も無事に帰宅することすら難しかったかも…。
また、それから6年後の昭和56年の1月場所、今度は当時の超スーパースター、ウルフ千代の富士の初優勝が懸かった千秋楽結びの一番でも、国技館の雰囲気はまったく同じ。
NHK中継 瞬間視聴率が70パーセントを越えるという超大一番!
ここでも北の湖は本割で横綱の貫禄を見せ付けました。
千代の富士の左前褌を阻止するべくモロ手付きで立った北の湖は、左四つに組みとめることに成功し、軽量の千代の富士を一気に向正面へ吊り出して勝利し、優勝決定戦にもつれ込みました。
この時は、国技館内の観客はもとより、日本全国からブーイングの嵐をまともに受ける形となってしまった大ヒール役の北の湖…。
優勝決定戦が始まるまでの10分間、館内の雰囲気と言ったら…
もう言葉で表現することができません。
NHKも 千代の富士の自宅中継までするほど、祝・初優勝というムードは高まっており、もし、この空気の中で北の湖が逆転優勝でもしょうものなら・・・もう想像しただけで身の毛が弥立つ思いがいたします。
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結果的に、横綱北の湖は2人に対して負けました。
貴ノ花戦、千代の富士戦、そのいずれも天井が見えなくなるほどの座布団を全身に受けながら、勝ち名乗りを受けることなく足早に支度部屋へ下がっていった北の湖の心境たるや…。
私は思います。もし人間に 『心』 というものが無かったといたしますれば、北の湖は軽く30回以上は優勝していたでしょう。
ヒーローがいればヒールがいる。
これを 『八百長』 という言葉で非難されるとしたならば、それはもう日本の伝統文化たる大相撲を観戦する資格がないと思います。
空気を読んだ…
最近の言葉の遊びではないですが、K・Y(空気読めない)人物の代表的存在でしたのが 『朝青龍 明徳』 でございます。
平成17年の年間の完全制覇、プラス一場所を追加でもぎ取り、通算7場所連続優勝などという偉業を実際にやってしまう馬鹿はいない!
お陰で大相撲の人気はガタ落ちとなり、地方場所や巡業地などでは経営が成り立たなくなってしまうほど、人気低迷のどん底に突き落としてくれた大馬鹿野朗。
色々な意味におきまして、北の湖という横綱は偉大な人物でございました。
そして…
その極めつけの大一番となりましたのが、平成13年5月場所、あの小泉総理(当時)も 『カンドーした!』 といわしめました、貴乃花の《阿修羅》優勝劇。
確かにあの時の展開を考えますれば 実に感動的だったのかもしれませんし、私も思わず目頭が熱くなったのを覚えております。
しかし、ヒール役を背負って土俵へ上がった外国人横綱、武蔵丸の存在を忘れてはいけません。
あの当時の武蔵丸と申しますれば、No1の最強横綱でございまして、仮に貴乃花が万全の状態で挑んでいたとしましても、恐らく相対的には武蔵丸の方に軍配が上がっていた可能性が高かったでしょう。
その貴乃花が 前日の武双山戦でヒザに致命傷を負い、仕切りの最中にも間接が外れてしまうほどの悲痛な状態。
本割で勝った武蔵丸へのブーイング…、館内の冷めた雰囲気…etc。
ありとあらゆる状況を背負いながら 優勝決定戦の土俵に上がらなくてはならなかった武蔵丸の胸中は…。
土俵上に転がされ、やはり大量の座布団を全身に受けながら引上げて行った武蔵丸…。
人はこれを八百長などと簡単に言えるのでしょうか…
by 桜川
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