FC2ブログ

ナベQ (渡辺久信)



今年、西武ライオンズがかつてのエース、渡辺久信さんを新監督に迎え入れると聞いたとき、私は思わず顔を曇らせてしまいました。

『ライオンズもいよいよ厳しい人選をしたものだな…』

私の描いておりました 『渡辺久信』 という人物のイメージは、やはり女の子にモテモテで、夜の帝王・種馬などの噂が絶えなかった現役時代、私服でDCブランドを着こなし、グラウンド内ではプロの選手らしからぬパフォーマンスでおどけてみたり、インタビューの受け答えでもフザケ半分のウケ狙いという、当時流行語となりました 『新人類』 という、悪い印象でございました。

常勝西武ライオンズと呼ばれていた黄金期、我が尊敬する森監督(当時)のような野球を復活させてほしいと願っていただけに、私は渡辺新監督をプロ野球ファンといたしまして、どうしても快く受け入れる気にはなれませんでした。

しかし…
2008年・プロ野球公式戦の開幕後、ある日を堺に私は渡辺監督を見る目が一変してしまいました。

それは、まだ渡辺新監督としてのヤングライオンズが頭角を現す前、敵地(ヤフードーム)にて行われましたフォークスとの3連戦、その初戦のスターティングオーダーを見て驚きました。
ライオンズの4番に、なんと江藤という名が…。

江藤智…
プロ野球ファンでありますれば言わずと知れたパワーヒッターでございます。

かつて広島東洋に在籍していた江藤選手は、1992年からチームの4番打者に任命され、1999年までの7年間、不動の主軸といたしましてチームを牽引してまいりました。

しかし、その年のオフにFA権を取得し、一番条件の良かった読売に移籍することが決定。

資金力にモノを言わせ、なりふり構わず各球団から主軸選手をもぎ取っていた 『長嶋政策』 に便乗すること対しまして、各方面から少なからず批判を受けてしまいましたが、自分の魂を貫き通し、迷わず巨人入りを決めました。

それだけ自分自身に対する 『揺ぎ無き自信』 があったということではございましたが…。

松井、高橋由、清原、石井、広沢、仁岡、新外国人等々、誰がチームの4番打者になっても不思議ではないという巨人ナインの中におきまして、ついに江藤選手の本領が発揮されることはございませんでした。

4番打者の魂とは、どこへ移籍しようとも同じなのです。
かつて、森監督が率いました西武ライオンズの黄金時代、あの強さの裏には清原和博という選手を、最後の最後まで不動の4番に据え置いたことでございます。

清原という選手は、強烈なイメージがございますが、打率は年間通して2.5.0程度しか残せませんし、ホームランや打点におきましてもタイトルホルダーになったことはございません。

成績的にはむしろ彼の前後を任されました秋山・石毛・デストラーデといった選手の方が遥かに上でありましたが、それでもチームは4番清原という定位置を動かそうとはしませんでした。

私はそこに常勝条件のキーポイントがあったと思います。

江藤選手は巨人軍から見限られ、まるで死に場所を求めるかのように西武ライオンズへ身を投じましたが、彼は死ぬ直前まで4番打者としての魂を捨てることはございませんでした。

渡辺新監督は就任1年目にして、若手を中心とした手探りチームということもあり、なかなかオーダーを固定することができませんでしたが、そうした中で迎えたフォークスとの試合に、ベテランの江藤選手を堂々と4番打者に据えたのでした。

何ということでしょう…
________________________________________

オーダー発表を聞いたフォークスベンチは大笑い。
『ナベQもアカンな…』
『アホやな、あいつ…』

しかし、王監督だけは笑うことなく、試合終了後にこう告げたそうでございます。
『今年の西武は要注意だよ…』 と。

そう…
渡辺監督は、自分が大活躍していた頃の 『常勝 森 西武野球』 の魂を、そっくり受け継いでいたのです。

4番打者の魂を持った人間が、成績が落ちたからとか、他の選手が上手だからというだけの理由で打順を入れ替えられたとき、はたして自身の本領を発揮することができるのでしょうか。

これは一般企業にしても同じこと…。
例えば 『部長』 という地位にいた人間が、同じような理由のみで 『課長』 に降格させられたとき、部長時代と同じ働きができるものでございましょうか。

FA制度というものが出来て以来、えげつない戦略で大型補強を繰り返している読売巨人軍ではございますが、大金を使っているほどの見返り(チーム成績)が少ないという点も、やはりここに原因があるような気がいたします。

西武の4番は日本の4番として慣らされてきた清原選手も、巨人へ移籍後は松井選手の影に隠れて実力を発揮できず、他の4番候補生達も日替わり4番では本気にもなりますまい。

最近では韓国のスーパスター、スンちゃんことイ・スンヨプ選手にしてもそう。

2年前、4番に据わった彼のバットは猛威を振るいましたが、成績の下降などでスグに打順を変えられてしまう巨人軍の体質では、やはり本領を発揮することができておりません。

今年の日本シリーズにおきましても、イ選手は不審を理由にスタメンから外されてみたり、6番まで打順を下げられたりと、いいように打順を弄くられてしまいました。

現役時代、チームは違えども同じ花形選手同士でありました原監督と渡辺監督…。

原監督は綺麗な花のままで現役生活にピリオドを打てましたが、渡辺監督は不審を理由に西武ライオンズから戦力外通告を受け、スワローズに拾われるも通用せず、台北リーグにまで身を落とし、辛い日々を送る結果となってしまいました。

しかし、だからこそ得られるものもあったはず。

原監督には得られなかった大切なものを、渡辺監督は苦境の中で得ることができた。
それが今シリーズの結果となったと解釈しても、私は不思議なことではないと思います。

あの日…
ポンコツの江藤選手を公式戦で4番に据えた渡辺監督。
その試合に関しましては、大方の予想の通りライオンズがボロ負けを喰らいましたが…

その日…
江藤選手はホームランを2本打った…
 by 桜川
スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

桜川 久慶

Author:桜川 久慶
雑草ポエム、書籍化することができました。

カレンダー
03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
最新コメント
リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
QRコード
QR
フリーエリア
オセロゲーム

フィリピン留学
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる