完全無欠

『完全無欠』 を望むのは、人間の一つの理想であり、また願いでもあることでしょう。
ですから、お互いにそれを求め合うのもやむを得ないとは思いますが、求めてなお求め得られぬままに、知らず知らずのうちに、他人をも苦しめ、自らも悩むことがしばしばございます。
しかし、我々人間ごときに 『完全無欠』 ということが本来あるのでございましょうか。
例えば、松の木に桜の花を求めるのは無理であり、牛に馬のいななぎを求めるのも無理な話でございます。
当然ながら 松は松、牛は牛、そして馬は馬でございましょう。
つまり、この大自然はすべて、個々には完全無欠でなくとも、それぞれの適正の中におきまして その本領を生かし、互いに与え与えられつつ、大きな調和の中に美と豊かさを生み出しているのだと思っております。
人間もまた同じ…
お互いに、それぞれに完全無欠でなくとも、それぞれの適正の中におきまして、精一杯その本領を生かすことを心がければ、大きな調和のもとに自他ともの幸福が生み出されてくる。
この素直な理解があれば、おのずから謙虚な気持ちも生まれてきますし、人を許すという優しい心も生まれてくることでしょう。
そう…
互いに足らざるを補い合うという 『協力の姿』 というものも生まれてくるはずでございます。
男は男、女は女。
牛は 『モ~』 であり、馬は 『ヒヒ~ン』。
最近は、白黒が入り混じったグレイな連中が多くって…
そんな私も完全無欠を望みすぎ、多くの敵を作ってしまいました。
いつまでもツッパってんじゃねぇよ!
by 桜川
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