初夢は船に乗せて…

お正月の恒例行事(?)といたしまして、1月2日の初夢というものがございます。
これにつきましては、昔から私の母親が熱心でございまして、必ず折り紙(もしくは白地の包装紙等)で船を上手に折り、下記の文章を縦書きにして、2日の夜には枕の下に敷いて眠るのです。
『 ながきよの とおの ねふりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな 』
私は未だにこの内容(文の意味)を知りません。
ただ、上から読んでも下から読んでも、同じ読み方になるということは最近気が付きましたが…。
母親はなぜかこの儀式(?)に拘る人でございまして、毎年1月2日には、自宅へ泊まれば勿論のこと、例え仕事で地方に出張していたといたしましても、必ずこの折り船を自らこさえて郵送してくれるのです。
あまり神仏に拘らない私といたしましては、正直 どうでも良いことだとは思っているのですが、年寄りの拘りごとでございますので、気を悪くさせないためにも、心からありがたく枕の下に敷いて眠ることにしております。
それにいたしましても…
文字にかけては達筆だった私の母親ですが、最近はすっかり年をとってしまったせいで、手先が震えて筆をとるため、曲がったような字しか書けなくなってしまいました。
しかし、毎年毎年家族の幸福だけを願い、震える右手を左手で抑えつつ、猫背の姿勢で一生懸命に書いてくれた折り船を眺めておりますと、自然と胸が…そして目頭が熱くなってまいります。
この船は、翌日に(見た夢と共に)川へ流すという決まりがあるそうですが、私は母親の心のこもったこの船を、いつまでも流すことができず、内緒で何艘も引き出しに重ねてしまってあります。
どうしても、どうしても流す(捨てる)ことができないのです。
もしかしたら、コレが片身になるのかもしれませんから…。
おふくろ・・・すまんね
by 桜川
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