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泣いた赤鬼(朝青龍)


『馬になりてぇな~…勝っても負けても愛されるからな…』
これは、横綱朝青龍が3冠馬のディープインパクトを思い浮かべながら漏らした言葉でございます。

『俺が負けたほうが(本場所も)盛り上がるんだろう…』
これは、彼の絶頂期たる平成17年の11月場所、人気の新大関琴欧州に敗れた時に漏らした言葉でございます。

あの当時、誰もが認める現役最強の横綱、朝青龍明徳。
14日目におきまして、史上初の年間完全制覇、7場所連続優勝、おまけに大横綱北の湖が誇る年間最多勝の記録更新という、前人未到の 『3冠』 を、見事手中に収めることができました。

これは物凄い快挙でございます。
長い長い大相撲の歴史におきまして、大横綱と称されました面々でも、誰一人として成し得なかった偉業中の偉業なのです。

それを若干25歳(当時)のモンゴル国民が、異国の歴史をあっさりと塗変えてしまったのですから脅威と言うほかにございません。

ところが…
強すぎるがため、そして度を越えた負けん気を表に出す態度等が顰蹙を買い、そこに 『外国人力士』 という、日本古来の良からぬレッテルを貼り付けられ、勝てば勝つほどブーイングの嵐となり、客足は遠のくばかりで連日ガラガラ状態と化す福岡国際センター。

ましてや、新記録が懸かった対戦相手は、地元で大人気の魁皇戦ともなりますれば、否応無しにアウエーの世界…。

向正面で圧勝し、ついに偉業を成し遂げた横綱の朝青龍に、館内からの拍手は無いに等しかった…。

かつて 『黒船』 と称されました小錦がそうでしたが、あまりの強さゆえ各方面から目の敵にされ、戦う環境的には決して恵まれることの無い外国人力士達。

朝青龍にいたしましても、敵は必ずしも目の前の力士だけではございませんでした。

鬼の形相で威嚇しても、彼も所詮は生身の人間でございますゆえ、想像以上の重圧に連日苦しんでいたことは事実です。

場内を、いや、日本の大相撲ファンを敵にまわしながら孤独に勝利を収めた瞬間、感極まって鬼が泣きました。
人目をはばかる事も無く、感情そのままに泣いたのです。

あの日から丸三年の月日が経ち、いよいよ崖っぷちに立たされてしまった感のある超人横綱朝青龍。

周りの反対を押し切って強行出場をするあたり、いかにも彼らしい判断だったと思います。

ココがオレの死に場所だ…
武士の情けは通用するのでございましょうか。

さぁ、大相撲1月場所の初日です!


 by 桜川




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