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一枚の切符…



切符…

日本国有鉄道の時代から、長年に亘りまして人々に馴染まれ、存在価値の大きかった小さな乗車券…切符。

昔は威張った駅員が、カチャコラ カチャコラ… と改札口でハサミを鳴らし、ご丁寧に一枚一枚切符を拝見していたものですが、自動改札が当たり前となった昨今では、ああした人間臭い鉄道ならではの風物詩も無くなってしまいました。

そもそも 『切符』 というもの(言葉)自体も古くなり、今ではパスモやスイカ、さらにはモバイル携帯などで気軽に改札を通り抜けるというスタイルが一般的となってしまったため、近い将来 『切符』 そのものが無くなってしまうことでしょう。

そうなってしまいますと、やはり何だか寂しい想いがいたします。

多少の形は違えども、人それぞれに 『一枚の切符』 には思い入れがあろうかと思います。

私の元同僚などでも、関西から東京本社への勤務が決まり、初めて新幹線で上京した時のエピソードを話す時など、やはり一枚の切符を購入したことから話がしんみりと始まります。

切符を駅の窓口で買い求め、表面に【新大阪→東京行き】の文字を見たときにはワクワクし、柄にもなく優越感に浸ってしまったということや、お弁当を買って指定席に座り、発車のベルがホームに鳴り響いている間は、将来への夢や憧れ心に包まれて、ただ胸躍らせているばかりだったと申します。

これから親元を離れ、一人孤独になってしまうという現実も知らずに…
________________________________________
一枚の切符…

憧れに勝てず、故郷を捨てた寂しさも、握り締めた一枚の切符を眺めるたびに消し去ることができました。

希望の切符、憧れの切符、別れの切符、悲しみの切符…
切符の表情は人の心で変わります。

名古屋を通過し、日本一の富士山を左手に仰ぎ、揺れの少ない超特急の心地よさに、つい ウトウト… としている間もなく車内放送が流れ出す…。

『間もなく 終点 東京~… 東京です…』

ハッと目を開けてみますと、その車窓から飛び込んで来たものは…
それはもう未知の国、別世界の戦場ヶ原。

JR有楽町駅のプラットホームに立ち並ぶ、尋常ではない人混みに目が眩み、1分刻みで慌しく流れ込んでくる山手線のライトグリーンが、頭の中を真っ白にさせた…。

気が付けば、無言のまま背中を丸めて車窓に額を押付ける、早くも大東京に飲込まれてしまっている情けない自分がいた… と、当時を涙目で振り返る我が同僚。

胸を躍らせてくれていたはずの 『一枚の切符』 ではございましたが、その時ばかりは悪魔の指先案内人のように思えたそうでございます。

♪ この街で 夢追うなら もう少し強く 
   ならなけりゃ 時の流れに 負けてしまいそうで… ♪

サライではないですが…

確かに強くなったよ…あの野朗!

【JR東海】
 by 桜川


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