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お し え て


【雑草ポエム 第325話】

外国のお話でありながら、日本国ではあまりにも有名な心温まるストーリー、アルプスの少女。

私はかつてヨハンナ原作の原本(日本語訳)を読んだことがございますが、やはり日本で人気となりましたTVアニメ(ハイジ)とは異なり、リアルに放送されましたのは日本人向けに多少アレンジされていたようでございます。

しかし、作者のヨハンナがこの物語で訴えたかった心だけは共通しておりました。
それは、何もかもが揃った大都会より、何もない山の大自然の方が素晴らしいということ。

思いますれば、私の母親がそうでした。
あえて地名は伏せますが、私の母親も関東では有名な山里育ちでございまして、人口は1000人にも満たない小さな村に息づく元気で明るい少女だったそうでございます。

5人兄妹の末っ子ということもあり、地方人の誰しもが憧れる大東京(神田の辺り)に無理やり奉公へ出されることになったのですが、母親はどんなに東京が便利で賑やかで華々しくとも、山の素晴らしさを忘れることはございませんでした。

東京で職場の同僚との何気ない会話でも、都会の話しなど聞く耳持たず、出てくる言葉は山の話ばかり…。
あきれた同僚の男性たちに『この百姓オンナ!』などと罵られ、顔がいびつになるまで殴られた事もあったそうでございます。

アルプスの少女の場合、奉公先のフランクフルトで極度のホームシックとなり、夢遊病を併発させて夜中の屋敷を徘徊するほど深刻な病に侵されてしまいましたが、今となりましてはその気持ちが痛いほど良く理解することができます。

私の母親は現在88歳となり、もういつお迎えが来ても不思議ではない状況にありますが、今でも口から出る言葉は生まれ故郷の深い山の昔話ばかりなり。

『東京だよ、おっかさん!』という、有名な芝居のタイトルがございましたが、私の母親には通用しそうもございません。

『血の通わぬ大東京なんざクソくらえ!』

いよいよダメになった時…
願わくば、私は山でこの人の最期を看取ってあげたいと思っております。

by 桜川

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