TOYOTAの謝意



【雑草ポエム 第370話】
よくアメリカでは、『簡単に謝ってはいけない』という話を耳にいたします。
私は海外出張をした際に、あまりにも無駄に『sorry』と言うと誤解を招くぞ…と注意をされたことがありましたが、これは単に日本語の『すみません…』というノリであり、思わず『sorry』と言ってしまうことのご指摘です。
日本には『謝れば許す!』という人情的な文化が存在しますが、アメリカでは『謝れば責任を追及するぞ…』という事になるようでございます。
故に、自分の過失を認めたのであれば、『過失による責任を果たさなくてはいけない』ということになりますので、アメリカでは『sorry』という言葉は多用されることはなく、むしろ『thank(ありがとう)』の方が多く使われているように思います。
私がこの文化の違いで象徴的だな~と感じましたのは、相手を長い間待たせた時の言い方でございます。
こうした場合、日本では『お待たせして、申し訳ありません…』と言うのは常識ですし、これは相手を待たせたことに対する謝罪の意を述べている意味でございます。
一方、アメリカではThank you for waitingと言います。
私のために待っていてくれてありがとうという意味で、感謝の意を述べているのです。
何気ない日常の会話なのですが、この違いは文化の差として象徴的だなぁ~と、強く思ってしまいました。
ですから、企業の不正や不祥事が発覚した際に、関係者が記者会見をする時の姿勢も全くもって違います。
日本では、まず『お騒がせして申し訳ありません…』と、泪の一つもこぼしながらの謝罪から入りますが、アメリカでは『私たちにこのような説明の機会を与えてくれて、ありがとうございます』という具合に、まず『感謝』を述べることが多いように思います。
日本にも『お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます』という決まり文句がございますが、謝罪を求められる会見の冒頭では、やはり国民的には不謹慎な感じがいたします。
先日、トヨタの社長の公聴会の様子をテレビのニュース番組で見ていたのですが…
『deeply sorry』という言葉が冒頭にあり、これで議員達は追及の姿勢を強めたように思えてなりません。
『謝罪をしたのに賠償しないのは、あまりにも不誠実な対応だ!(某議員)』
私は危ない発言だったと思うのですが、それはリコールで済まされているというTOYOTA側の考えによるものであったということは明白でございます。
しかしながら、一度『deeply sorry』と言ってしまいますと、日本の報道と同じく『その言葉』ばかりが徹底的に放送され、あたかも電子制御の不具合を認めたかのようにとられかねません。
《世界に誇る日本のTOYOTAをぶっ潰せ!》
こんなシュプレキコールが沸き起こらんとしております。
しかし…
私は豊田社長の堂々たる姿を見ておりまして…
あの社長の目は死んでいない。
あれはウソをついている人間の目ではない。
マッハGoを完成させるのは日本の技術力をおいて外にはない!
いずれ…
解るさ!
by 桜川
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