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横綱琴櫻の土俵入り



【雑草ポエム 第374話】

猛牛と呼ばれた男…
それは第53代横綱 琴櫻傑將 その人でございます。

写真

琴櫻の土俵入りは、両手を広げてせり上がる不知火型…。
右腕を伸ばして(攻めの姿勢)左上を『く』の字に曲げる(守りの姿勢)雲竜型とは異なりまして、守りを必要としない攻め一本の表現をした不知火型の土俵入りこそ、この琴櫻の真骨頂であり、土俵人生の全てであったと思っております。

琴櫻傑將…
全身全霊、対戦相手を木端微塵に粉砕してやろうか…という『ぶちかまし』は驚異的であり、稽古相手も逃げ回るという破壊力は、すべての力士たちから恐れられておりました。

しかしながら、この驚異的な『ぶちかまし』が完成するに至るまで、琴櫻は数多くの試練を乗り越えてまいりました。

厳つい兄弟子達によるいじめ…
高卒あがりの小僧だとは申せ、持ち前の反骨精神を逆手に取られ、執拗なまでの猛稽古を強いられたということでございます。

倒れれば蹴り飛ばされ、つぶされては殴られるという地獄の日々。
しかし琴櫻は大粒の涙をポロポロ流し、泣きっ面になりながらも『くそっ!』と立ち上がり、兄弟子の胸を目掛けて体当たりを繰り返す…。

体力が限界となり、大部屋に帰って布団の中へ潜り込めば、意地の悪い兄弟子達にタバコの火を押し付けられて、昼寝の邪魔までされたという…。

それでも何とか眠りたいという一心から、押し入れの中に潜り込んで眠ったというエピソードに、思わず目頭が熱くなった私でございます。

『くそっ!』
大関という地位を勝ち取ったものの、度重なる怪我や病気が災いし、長期に亘りまして思うような成績をあげられることができなかった琴櫻。

そんなひ弱な大関に、付いたあだ名が『姥桜』。
破れ桜…などとも罵られ、人知れず、幾度泣いたことでございましょう。

『くそっ!』
稽古相手が逃げ回る…。
汚名返上のために、強烈な『ぶちかまし』に磨きをかけたい琴櫻でしたが、肝心の稽古相手が見つからない。

『稽古場でぶっ壊されるのはごめんじゃ~い!』
同部屋の関取衆は挙って出稽古へ逃げ出してしまうという、何とも信じられない有り様。

やむなく一人で『てっぽう柱』を相手に頭突きを繰り返す琴櫻でしたが…

『よおし、来いや!』
両腕を広げ、快く胸を貸してくれた人がおりました。
それは二所一門の大統領、大鵬さんでございます。

『来いや、この野郎!!』
琴櫻は躊躇せず、『ドォーン!』と大横綱の胸へ飛び込んで行きました。

横綱昇進が決まった日…
大粒の涙を拭いながら、記者会見の席上での開口一番…
『大鵬さんのおかげです…』

私が伝え聞きましたこの『美談』は、おそらく一生忘れることができないでしょう。

by 桜川


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