恋は、遠い日の花火ではない…

【雑草ポエム 第423話】
私が物心つくようになりましてから、家庭のウイスキーと申しますれば『サントリー・オールド』のダルマ瓶でございました。

『おい、これを一晩で一瓶、空っぽにできるようになれば一丁前の男だぞ!』
そんな根も葉もない大ウソを、純な少年(私)の心に叩きこんでくれましたのは他でもない、我が亡き父でございます(汗)。
今では一晩で一瓶くらいでありますれば、大楽勝の肝臓に成長いたしました私ではございますが、あの当時の父親は、自分の僅かなポケットマネーでやっと一瓶買うことができたという、実に貴重なダルマ瓶。
貧乏な家庭故に、一晩で一瓶空けるなどという儚い夢を実現させることもなく、嫁(母)に隠れて瓶のキャップにチビチビと楽しんでおりました父の背中…、そしてその時の実に嬉しそうなほろ酔い顔が今更ながら懐かしく、涙が出る思いでございます。
サントリー・オールドと申しますと、やはりあのCMソングが真っ先に思い浮かびます。
少々ドラマチックなナレーションを交えての、あのシブイ外国人の低音が…♪
『人間みな兄弟~夜が来る』(作曲:小林亜星)
また、あのCMでは音楽もさることながら、僅か15秒たらずの短い時間内におきまして、素晴らしい人間ドラマが展開されているCMに、思わず感動させられてしまうこともしばしばございます。
特に私のお気に入りは…
長塚京三さんの上司と部下シリーズと、田中裕子さんのお弁当屋さんの2本でございます。
長塚さんのは、同じ上司という立場で感慨深く拝見し…
田中さんのは、年上の女性に憧れる若い男性の複雑な思いを抱きつつ、同時に田中さんの素晴らしい『目』の演技(表情)に魅了されながら…、私も思わずつぶやきました。
恋は、遠い日の花火ではない…
by 桜川
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