いいんだな… 田舎って

先日、私は亡き父の生家へ行って参りました。
場所はあえて申しませんが、超が付くほどの見事なド田舎でございます。

思わず、吉幾三さんのヒット曲『オラ東京さ行くだ!』を口ずさんでしまいそうな大秘境ではございますが、澄んだ空気と川の流れる涼しげなせせらぎの音が心地よく、そのまま眠ってしまいたくなるようでした。

貧しい(失礼)農家の三男坊では肩身も狭く、東京という地に夢を抱いて飛び出してはみたものの、いつも口にするのは故郷の思い出話ばかりなり…。

『なんの取り柄もない、クソ面白くもねぇ田舎村だけど、いいんだな…田舎って』
庭先には綺麗な川が流れており、カジカという川魚が沢山獲れることでも有名な場所。
釣り竿などなくても、石つぶてを川に投げ込めばカジカの群に的中し、気絶して浮かんでくるのが面白い…。

こんなに綺麗な空気を吸って育ちながら、最期は汚れた川崎の公害によって肺を侵されて殺されてしまった我が父でございます。

『いいんだな…田舎って』
その言葉、今になって身に染みて理解することができました。
by 桜川
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