昭和の軌跡 国道駅
【雑草(ポエム)ららばい 第632話】
私は今まで雑草(ポエム)ららばいにおきまして、京浜工業地帯のDEEPゾーンたるJR『鶴見線』の珍名所(駅)を、度々ご紹介して参りました。
海の上のプラットホーム『海芝浦駅』や、100万都市に独りぼっち『大川駅』等でございます。
先日、7年間続けて参りました『雑草(ポエム)ららばい』に、自ら終止符を打とうと決断をいたしました時、鶴見線ストーリーの最後の砦、『国道駅』を刻まぬわけにはいかぬと思い、第632話の題材とさせていただきました。
JR鶴見線の国道駅は、他の追随を許さぬ程の見所を持つ、実に不思議な駅でございます。
それは開業から70年以上経過しているにも関わらず、当時のままの建物の構造が綺麗に残っている事でございます。
戦時中に米軍の機銃掃射で駅の構造物の一部が破損した跡がそのまま残っているという箇所もあり、時代を乗り越えて今も佇む駅舎の姿を皆様にお伝えするべく、私は行って参りました。
まずは始発の鶴見駅から…
↓JR鶴見線の鶴見駅は、終着駅でありながら始発駅でもございます。

↓鶴見駅を出発し、最初の駅が『国道駅』でございます。

駅の直下に国道15号線(駅が完成した当初は国道1号線であり、現在の第一京浜)があるという理由だけで『国道駅』という名が付いたという、趣味の悪い冗談のような…本当の話でございます。
昭和5年に完成した『国道駅』は、まさに昭和の面影を随所に残す、実に魅力的な駅でございます。
↓駅入口の壁面には、昭和の戦争で米軍が乱射した弾痕がくっきりと残っております。

↓これが国道駅の構内(ガード下)であり、この上に鶴見線が走っております。

↓昭和の時代にタイムスリップしたかのような、実に不思議な気分になります。

駅のガード下はおよそ50メートル少々で急カーブを描いており、その先は鶴見川の堤防とぶつかります。
↓一軒だけ、元気に商売しているお店がございました。

『やきとり国道下』とは、またネーミングが素晴らしい。
近年JR東日本では、目下の所『駅中スイーツ化』なる計画を進めておりまして、どの駅も没個性的でオシャレな店が生まれつつあるわけでございますが、そんな時代の流れはどこ吹く風か、国道駅ほどそんなものが似合わない駅は存在いたしません。
↓ちょうど通路の中央辺りに改札口がございまして、無人駅となっております。

↓改札を抜け、長い階段を昇りますと…

↓曲線を描くような独特のプラットホームが登場しました!

↓ほどなくして、上り列車(鶴見行)がご到着。

全体に急カーブが掛かっており、電車との隙間が広くて乗降時に危険なことが分かります。
また、電車が近づきますと、踏切もないのに『カンカンカン…』と踏切音を発するという珍しいスピーカーが存在するのも、事故防止のための対策の一環として考えられた無人駅ならではの仕組みでございます。
↓フェンスにはこんな看板が掲げられ、海が近い事を感じさせます。

京浜運河が直ぐ側にあり、似会わぬ潮風が頬をかすめて行きました。
また、国道駅の周辺にも、沢山の昭和が残っております。
↓高架下には、沢山の住宅が詰め込まれるように建てられているのですが…。

こうした高架下の住宅というものは、いったいどういう経緯で発生し、どういうお方が居住しているのでございましょうか…。
既に日照権とかのレベルではなく、真上を電車がカタゴト往来し、その騒音や振動を考えますれば…と、ついつい気になってしまいます。
↓そして極め付けがこの住宅。

トタン トタン トタン… お見事!
きっと雨の日には、TVの音が聞こえなくなってしまうことでしょう。
まぁ、大きなお世話でございますが…。

国道駅は、多くのTVドラマや映画の撮影場所となっており、マニアでなくとも駅自体はけっこう有名だったりいたします。
最近では『華麗なる一族』にて、キムタクが電話をかけるシーンが撮影されたり、古くは『男女7人夏物語』で、明石屋さんまと大竹しのぶがこの駅をバックに熱演したり…。

この国道駅、老朽化で建物がもたなくなるのもそう遠い話ではございません。
もし気になった方がいらっしゃいましたら、是非とも早めのご訪問をお勧めしたいと思います。
雑草(ポエム)ららばい カウントダウン…其の壱
まずは鶴見線シリーズの最終話でございました。
by 桜川
私は今まで雑草(ポエム)ららばいにおきまして、京浜工業地帯のDEEPゾーンたるJR『鶴見線』の珍名所(駅)を、度々ご紹介して参りました。
海の上のプラットホーム『海芝浦駅』や、100万都市に独りぼっち『大川駅』等でございます。
先日、7年間続けて参りました『雑草(ポエム)ららばい』に、自ら終止符を打とうと決断をいたしました時、鶴見線ストーリーの最後の砦、『国道駅』を刻まぬわけにはいかぬと思い、第632話の題材とさせていただきました。
JR鶴見線の国道駅は、他の追随を許さぬ程の見所を持つ、実に不思議な駅でございます。
それは開業から70年以上経過しているにも関わらず、当時のままの建物の構造が綺麗に残っている事でございます。
戦時中に米軍の機銃掃射で駅の構造物の一部が破損した跡がそのまま残っているという箇所もあり、時代を乗り越えて今も佇む駅舎の姿を皆様にお伝えするべく、私は行って参りました。
まずは始発の鶴見駅から…
↓JR鶴見線の鶴見駅は、終着駅でありながら始発駅でもございます。

↓鶴見駅を出発し、最初の駅が『国道駅』でございます。

駅の直下に国道15号線(駅が完成した当初は国道1号線であり、現在の第一京浜)があるという理由だけで『国道駅』という名が付いたという、趣味の悪い冗談のような…本当の話でございます。
昭和5年に完成した『国道駅』は、まさに昭和の面影を随所に残す、実に魅力的な駅でございます。
↓駅入口の壁面には、昭和の戦争で米軍が乱射した弾痕がくっきりと残っております。

↓これが国道駅の構内(ガード下)であり、この上に鶴見線が走っております。

↓昭和の時代にタイムスリップしたかのような、実に不思議な気分になります。

駅のガード下はおよそ50メートル少々で急カーブを描いており、その先は鶴見川の堤防とぶつかります。
↓一軒だけ、元気に商売しているお店がございました。

『やきとり国道下』とは、またネーミングが素晴らしい。
近年JR東日本では、目下の所『駅中スイーツ化』なる計画を進めておりまして、どの駅も没個性的でオシャレな店が生まれつつあるわけでございますが、そんな時代の流れはどこ吹く風か、国道駅ほどそんなものが似合わない駅は存在いたしません。
↓ちょうど通路の中央辺りに改札口がございまして、無人駅となっております。

↓改札を抜け、長い階段を昇りますと…

↓曲線を描くような独特のプラットホームが登場しました!

↓ほどなくして、上り列車(鶴見行)がご到着。

全体に急カーブが掛かっており、電車との隙間が広くて乗降時に危険なことが分かります。
また、電車が近づきますと、踏切もないのに『カンカンカン…』と踏切音を発するという珍しいスピーカーが存在するのも、事故防止のための対策の一環として考えられた無人駅ならではの仕組みでございます。
↓フェンスにはこんな看板が掲げられ、海が近い事を感じさせます。

京浜運河が直ぐ側にあり、似会わぬ潮風が頬をかすめて行きました。
また、国道駅の周辺にも、沢山の昭和が残っております。
↓高架下には、沢山の住宅が詰め込まれるように建てられているのですが…。

こうした高架下の住宅というものは、いったいどういう経緯で発生し、どういうお方が居住しているのでございましょうか…。
既に日照権とかのレベルではなく、真上を電車がカタゴト往来し、その騒音や振動を考えますれば…と、ついつい気になってしまいます。
↓そして極め付けがこの住宅。

トタン トタン トタン… お見事!
きっと雨の日には、TVの音が聞こえなくなってしまうことでしょう。
まぁ、大きなお世話でございますが…。

国道駅は、多くのTVドラマや映画の撮影場所となっており、マニアでなくとも駅自体はけっこう有名だったりいたします。
最近では『華麗なる一族』にて、キムタクが電話をかけるシーンが撮影されたり、古くは『男女7人夏物語』で、明石屋さんまと大竹しのぶがこの駅をバックに熱演したり…。

この国道駅、老朽化で建物がもたなくなるのもそう遠い話ではございません。
もし気になった方がいらっしゃいましたら、是非とも早めのご訪問をお勧めしたいと思います。
雑草(ポエム)ららばい カウントダウン…其の壱
まずは鶴見線シリーズの最終話でございました。
by 桜川
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