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世紀の大凡戦?(A・猪木vsM・アリ)




本日の雑草ポエム

タイトル
 『 世紀の大凡戦?(A・猪木vsM・アリ) 』

『このペリカン野郎が!』
レスラー アントニオ猪木のトレードマーク、突き出たアゴに拳を突きつけながら罵ったWBC統一世界ヘビー級チャンピオン モハメド・アリ。

いきなりのけん制を受けたアントニオ猪木は不適に笑い 『俺のアゴは強烈な武器にもなるんだ』と一蹴。
世界初の異種格闘技戦は戦う前にして異様な雰囲気が漂っておりました。

1975年、現在では当たり前のように行なわれております 『異種格闘技戦』ですが、ルーツを辿りますと、この猪木vsアリ戦が最初の試みと言っても過言ではございますまい。

『ボクシングこそ、世界最強の格闘技だ』 とされるアメリカでの報道に意義を申し立て、常識ハズレの戦いを現役の世界チャンピオン陣営に承諾させたのは他でもない、日本のアントニオ猪木でございました。

アリが この申し入れを飲んだ背景には、当時 自らが巨額の借金を背負っており、そのファイトマネーの膨大さと、日本人レスラーを頭から飲んで掛かっていたということが最大の理由でございました。

『イノキ? 聞いた事ないね・・・。 オレの一撃で終わりだよ』

ところが、来日して初めてアントニオ猪木のスパーリングを見たアリ陣営は、猪木の想像を越える技量に驚いてしまい、試合を拒絶すると言い始めたのです。

全ての段取りを済ませている主催者側は困り果て、アリ側が提案してきた全ての条件を飲むという理不尽な契約が成立し、ようやく『猪木vsアリ』 の対戦が正式に決まったのでした。

しかし・・・、アリ側が提出してきた条件とは、あまりにも酷い内容ばかりでございました。



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『この条件を日本側飲まない限り、我々はアメリカへ帰国する!』
そう断言されて提出された条件とは・・・

『腰から上の打撃は禁止・転倒後の寝技は全面的に禁止・締め技と関節技も一切禁止・組技及び投げ技も禁止すること』
すなわち、プロレスラーとしての技が一切使えないということでございます。

なんということでしょうか…
こんな理不尽な契約でも飲まざるを得なかった猪木陣営・・・これは、当時のファンもマスコミも一切知らされていなかった事実でございました。

そして運命のゴングが鳴り響く!
『一撃必殺』 を目論み、猛然と襲い掛かろうとするアリに対し、猪木はマットに仰向けで寝転びました。

『何だ何だ猪木、戦う気があるのか!』 『立て猪木、日本の恥め!』
事情を知らない会場のファンから物凄い野次が飛ぶ。

猪木はアリの足を徹底的に蹴り上げました。
アリが飛び込もうとする・・・猪木がそこを蹴り上げる・・・ただそのパターンを繰り返すだけの攻防に、場内のファンは暴動化する寸前までいく始末。

しかし、猪木はそのスタイルで戦うしか方法がなかったのです。
アリの足は見る見る紫色に腫れ上がり、立っている事も苦しくなってまいりました。

猪木の勝機・・・勝つ方法はそれしかなかったのです。



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大ブーイングに包まれる中、猪木はアリの太ももから脹脛に至るまで蹴って蹴って蹴りつづけました。

アリが精根尽き果て、ダウンして立ち上がれなくなるまで待ったのです。

私は父親と共にTVを見ておりましたが、父親は 『くだらん試合だ・・・もうテレビを消せや!』とご立腹。

勿論、我が父親のみではなく、日本中の視聴者が同じ意見だったに違いございません。

そして最終ラウンドが終了し、ついに決着がつくことなく、時間切れドローという結果に終わりました。

落胆の空気が漂う会場の中におきまして、猪木とアリは互いの健闘を称え合うかのように笑顔で抱き合い、実に清々しい表情で握手をしながら談笑しておりました。

この時、この2人にしか解らない胸の内を理解する者など誰もおらず、翌日の新聞紙面では『世紀の大凡戦』 と書かれてしまう始末。
猪木に対するブーイングはしばらく止む事はございませんでした。

しかし アリは…
実は この直後、極秘で緊急入院をしていたのです。
猪木に蹴り上げられた足が腫れ上がって麻痺してしまい、身動きすら取れなくなってしまっていたのです。

アリには解っていたのです。
あのアントニオ猪木の強さを…。

この事実が公になったのは、それから十数年後の事でございます。
アリと猪木は固い友情で結ばれ、アリのテーマソングでありました 『アリ・ボンバイェ』を 猪木にプレゼントし、今でも定番となっております 『猪木・ボンバイェ』 として入場時のテーマソングとして長く使用し、ついに変えることなく 『猪木のテーマ』 として親しまれております。

猪木イズム…その原点はアリのテーマソングにありました!




 by 桜川


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